2021年3月8日、ある女性がTwitterにこんな投稿をした。
《横浜●●(※Twitter上では交際クラブ名)交際クラブ事件 お手当30%ピンハネ前代未聞 しかも昨日面談行った女の子に「●●(※Twitter上では男性の苗字)」に恐喝されて12万円取られました しかも女の子が勧誘して「●●」に紹介しているのでこのアカウントにご注意を レクチャー代請求とかもうワロタwww》
その後、このツイートを見たという複数の女性から、「文春オンライン」編集部に情報提供が寄せられた。女性たちは、この交際クラブをめぐり同様の被害に遭ったというのだ。被害者に共通しているのは《高級交際クラブ》《白スーツの男》《性的な講習》というキーワード。彼女らは高級交際クラブに登録しようとしたところ、ある人物らに「ハメられた」のだという——。(全4回の1回目)
◆ ◆ ◆
“紀州のドン・ファン”変死事件で知られるところとなった高級交際クラブ
高級交際クラブといえば、3月9日、指原莉乃がプロデュースするトップアイドルグループのメンバーが登録し、複数の男性と“交際”していたことを「文春オンライン」特集班が報じた。そのアイドルグループメンバーは、交際クラブの男性会員宛ての営業メールで、《検索すると出てきます。テレビ、舞台にも出演されているハイレベルの貴重な方です。可愛いです。希望10 セット15》と実在のアイドルであることを“売り文句”に紹介されていた。
「《セット15》というのはこのアイドルとの出会いをセッティングしてもらうために交際クラブに支払う金額です。《希望10》というのは肉体関係に進むにあたってアイドル側が希望しているお手当の額のこと。つまり25万円支払えば、このアイドルと肉体関係が持てるということを示しています」(交際クラブ関係者)
この関係者によると、「そもそも高級交際クラブは、富裕層と美女たちのための秘められたサービスでした」という。
「男性会員の面接があり、入会金が数十万を超えてくるようなクラブは高級交際クラブと呼ばれます。なかには入会金100万円を超えるような超高級交際クラブも存在します。そんな料金設定ですから、男性会員は経営者や開業医ばかりですし、女性はモデルや女優の卵など、街で歩いていると振り返るような美女だらけ。1晩で何十万円もの金が行き交うこともよくありました。
しかし2018年5月、“紀州のドン・ファン”こと野崎幸助さんが変死した事件によって、交際クラブという存在が一般の方々の知るところになったんです。当時、野崎さんは55歳下の妻と同居しており、また高級交際クラブで多くの年下女性と交際していたため、マスコミがセンセーショナルに報じました」(同前)
野崎氏は、2018年4月に出版された『紀州のドン・ファン 野望篇 私が「生涯現役」でいられる理由』(講談社+α文庫)で、交際クラブについて「出会い系のお店の個人版といったものです。会費は100万円のところもありますし、ウン十万円から数万円まで千差万別であります。要は高いところは痒いところまで徹底的にサービスしてくれますが、安いところは値段なりのサービスです」と語っている。
「この時期くらいから、登録する男性も女性も裾野が広がりました。その後、“パパ活”という言葉が誕生し、利用者の罪悪感が薄くなったことも手伝って、交際クラブの存在が一般化し、悪質な業者も急増していきました」(前出・交際クラブ関係者)