1回10だった私が、月最低でも100は稼げるように
松岡茉優似の女子学生・A子さん(20代)もそんな“悪徳業者”の被害に遭った1人だ。被害内容が冒頭のTwitterで告発された《横浜●●交際クラブ事件》の内容と酷似してたため、「文春オンライン」への告発を決意したのだという。
「これまでにも、1年間ほど交際クラブを通してパパ活をして、一晩で8万円の“お手当”をいただいていたことはありました。学業と両立して効率よく稼ぐにはちょうどよかったんです。その後しばらく交際クラブは使っていなかったのですが、2021年1月27日、知り合いのX子さんに《交際クラブなどを仕切っているトップがいるから話聞いてみない?》とLINEで持ち掛けられました。これが、事の発端です」
X子氏からはこんな説明があった。
《今交際クラブの業界トップの方に指導を受けていて、その方のおかげで最低でも月100は稼いでて》
《私の方から絶対稼げて特別可愛い子だけ声かけさせてもらってるんだけど》
《交際クラブの業界トップの方なんだけど、パパ活に必要な見た目の服装から所作、大金の金額交渉の仕方、いい定期p(※定期的に会うパパのこと)を見つけるために色々レクチャーしてくれて》
《この方のレクチャーを受けてから一回最低でも30で、月150以上は当たり前に稼いでいるから本当に出会って良かったと思ってる》
《もしやりたい!話聞きたい!と思っていただけたなら私と一緒に業界トップの方と面接します》
月100、150といった甘い言葉にのせられてしまったA子さんはまず面接を受けることにした。
面接が行われたのは2月8日、横浜の高級ホテルのロビーだった。A子さんは事前にX子氏から指示された通り、脚の形が分かるような短めのワンピースを着て、ハイヒールを履いてホテルへ向かった。ロビーはヒールが少し沈みこむような青い絨毯が敷かれ、吹き抜けの高い天井には豪華なシャンデリアが煌めいていた。
「俺がどれだけ稼いでるか見せる」と言って札束を見せてきた
A子さんがロビーに着くと、そこにはX子氏の他に、初対面の中年男性と若い女性がソファーに座っていた。この男性こそが“白スーツの男”だった。
「男性は自分のことを『交際クラブ業界トップ』のオーナーで、『倉科(仮名。実際には別の名を名乗った)』と名乗りました。ただ一般的にはあまりない苗字だったので、偽名なのかもしれません。中肉中背で、年齢はおそらく50歳くらいでしょうか。白髪交じりの髪をセットし、上下ともに白いスーツを着ていて、遠目からでもかなり目立っていました。
隣に座る女性は『Y子』と名乗りました。小柄ですがスタイルがよく、目鼻立ちがはっきりとした和風美人で、銀座にいるような雰囲気の方。黒い髪がツヤツヤしていて綺麗でした。倉科氏のパートナーといった感じでした」
自己紹介が終わると、倉科氏はA子さんの目の前に大きな黒い箱を差し出したという。そして「俺がどれだけ稼いでるか見せる」と言って、その箱を開けた。
「中にはぎっしり札束が詰まっていました。倉科さんは『1000万ある』と言いました。ただ普通、札束の帯には銀行印などが押してあると思うのですが、真っ白の無地の帯だったので、今思うと偽札だったのかも……。それに加えて、写真週刊誌『FRIDAY』(講談社)の切り抜きが入ったファイルをみせられました。交際クラブ業界について語っている匿名コメントが載っていて、それは自分が話したのだと語っていました。超高級交際クラブ『P』についても書かれていました」