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2021/05/03

source : 文春文庫

genre : エンタメ, 読書, 国際, 芸能

【I】  アイスクリーム

 アメリカは、なんといっても、甘いものの豊富な国で、アイスクリームは、その代表的なものです。十年前に、初めてこの国に来たとき、私はアイスクリーム専門店、というのが、たくさんあるのに、とても驚きました。

 日本でもこの頃は、こういうお店もできて、種類も随分あるようですが、私の若いときは、ヴァニラと、チョコレートくらいしかありませんでした。私のいまいるアパートの近くに、わりと有名なアイスクリーム屋さんがあるので、今日、通りがかりによって、どのくらいの種類があるのか聞いたところ、やはり本場だけあるとびっくりしました。

ニューヨークでアイスクリームを食べる黒柳徹子さん

「風船ガム入り」のアイスクリーム

 目の前に並んでいるアイスクリームは、五十種類。そして、この店の本社には、なんと、五百種類あって、毎週、二種類ずつ、新しい味を、どれかと交換して置いて行くのだそうです。五百種類のアイスクリームを考え出す人も考え出す人だけど、きっとそれをテストしてたべてみる係がいるに違いないから、その人も大変だと思いました。

 メニューを見て、日本で珍しいのはどれかな? と考えましたが、「風船ガム入り」というのは、やはり目新しいほうじゃないでしょうか。メニューに説明がついています。「信じられますか? 本当の風船ガムが入っています。噛んでください」。ピンクのアイスクリームの味は、なるほど風船ガム。中に、水色や黄色、茶色などの柔らかいガムがプツプツと入っています。そして、クリームをのみこんだ後、ほんの少しのガムが口に残ります。ただし、ふくらませて、パチンとやるほどは入っていませんし、入っていたら大変です。

 「ブランディ・アレクサンダー」というのは、「特別製法によるフランス本場のブランディ入り」。色は薄いコーヒー色で、味は確かにブランディそのもの。「酔っぱらいません?」と売り子のお兄さんに聞いたら、笑われました。また「ラム酒と乾しぶどう入り」とか「デンマークのチーズケーキを、そのままアイスクリームにしました」なんて、およそアイスクリームとは思えないようなのもあります。