文春オンライン

特集観る将棋、読む将棋

観る将ファンが選んだ最優秀「解説者」「聞き手」は誰だった?

観る将ファンが選んだ最優秀「解説者」「聞き手」は誰だった?

観る将アワード2020/2021 #2

2021/04/25
note

ファンの人に楽しんでもらう、という気持ちが溢れてる

――あとは井出隼平五段にも票がありました。

〈2021.2.9順位戦B2藤井聡太二冠対窪田義行七段。 注目の生放送で窪田七段の魅力を伸び伸びと楽しげに伝えられ、観る将の喜びや新たなファン層を増やすことに大きく貢献された素晴らしい解説だと思います〉(59歳/女性)

深浦 あの対局を見た後、自分の夢の中に兄弟子の窪田さんが出てきたんですよ。夢の中で巣作りをしていました(笑)。あの映像が強烈なんですよね。

遠山 井出さんは、窪田さんのことすごく詳しくて、なんでも知ってるんですよね。棋譜ファイルをもっているとかね。

ADVERTISEMENT

――解説がないとわからないですもんね。

深浦 井出くんは、窪田さん専属解説として貴重ですね(笑)。

順位戦でも2期連続昇級を果たした高見泰地七段 ©文藝春秋

――さて、いろんな方のお名前が挙がっていましたが、どなたを選びましょうか。

深浦 これだけいろんな人が挙がっているなら、昨年受賞した藤森さんには遠慮してもらってもいいですね。彼の実力はみんな知っていますから。

遠山 高見さんは、いつもファンの人に楽しんでもらうんだという気持ちが溢れてますよね。そこが素晴らしいと思います。

深浦 そうですね。

――では「最優秀解説者」は、高見泰地七段とさせていただきます。

受賞の言葉(高見泰地七段):
 2020年度・解説者部門で選んでいただきありがとうございます。
 解説するのは自分自身勉強になりますし、楽しく・分かりやすくを心掛けています。同時に名局を埋もれさせないためにも大切な仕事ですので、責任感を持って毎回臨んでいます。
 今後も皆さんに将棋を楽しんでもらえるよう、対局も解説もがんばります。

将棋の「聞き手」は大変なお仕事

――続いて「最優秀聞き手」に移りたいと思います。アンケート投票の結果はこのようになりました。

投票数1位 中村桃子女流初段 16票
投票数2位 山口恵梨子女流二段 13票
投票数3位 鈴木環那女流三段 7票

――まずは中村桃子さんへの投票コメントをご紹介します。

〈声も言葉もきれいで上品。相手が誰でも動じずに質問やエピソードを聞くことが出来る。解説者とその場に上手く溶け込める貴重な人〉(56歳/女性)

 

〈聞き取りやすく、滑らかな語り口が聞いていて心地よい。将棋以外のエピソードも多いし、解説者の先生に気持ち良く話してもらうことに長けていると思う。進行がとても上手だと感じます〉(61歳/女性)

昨年からABEMAトーナメントの司会としても活躍している中村桃子女流初段(ABEMAより)

――中村桃子さん、NHK杯でも聞き手をされていますよね。

深浦 NHKは藤井聡太さんがらみの特番もあったのですが、そういったところでも中村さんは安定した司会ぶりですね。