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文章を書くことの難しさ「ベストエッセイスト」部門
――次に各媒体やSNSで面白い発信をされている方を決める「ベストエッセイスト」部門です。アンケート投票は以下のような結果になりました。
投票数1位 上田初美女流四段 16票
投票数2位 先崎学九段 13票
投票数3位 山本博志四段 10票
――上田さんは、文春オンラインの「観る将棋、読む将棋」で定期的に書いておられるので、担当編集者はガッツポーズをしているのではないでしょうか。こんなコメントがありました。
〈及川先生とのお互い棋士ならではの家庭の話が面白い。また、将棋だけでなく、家庭や女性について色々と勉強になる話も多く、今まで以上に尊敬して見るようになった。特に最近の通算成績の話はとても面白かった〉(35歳/男性)
〈noteで娘さんたちとの日常や将棋と育児の両立の大変さを率直に綴る語り口が読みやすく心に響く。同じく子育て中の共働きの自分を重ね、共感している。『読む将棋2021』掲載のエッセイ「私にとっての同世代の話をしよう」は、鈴木環那女流三段と中村真梨花女流三段との友達でもなくライバルでもない関係の記述が興味深く、縁の不思議さと将棋界独特の関係性を描いた名文〉(47歳/女性)
遠山 彼女は文春オンラインの連載でけっこう踏み込んだことを書いてますよね。私もウェブ上で文章を書くことの難しさや怖さって感じるので、上田さんは、いろんな反応があることをわかった上で、それに負けない感じで書いているのがすごいなと。
深浦 印象に残るフレーズとかは?
遠山 女性ならではの体のことと、それが成績に与える影響などについて書いていましたが、それが印象に残っていますね。
深浦 私は上田さんの夫の及川さんと一緒に研究会をやっているので、いつも「家庭ではこんな様子なんだ」と思いながら読んでいます。
――先崎先生は、『うつ病九段』などの書籍だけでなく『Number』への寄稿でも注目を集めておられます。
〈「Number 1018」(文藝春秋)で、長年にわたって競争相手だった羽生善治九段へのエールを込めた「走りつづける君へ。」を寄稿。困難な道のりで一度立ち止まらなければならなかった先崎九段が、孤高の棋士に向けるまなざしはひたすらに温かい。勝ち負けを巡る厳しい世界に芽生えた、たしかな友情を感じさせるエッセイ〉(37歳/男性)
遠山 先崎さんはツイッターもされていますよね。
深浦 けっこうきわどい投稿もありますよね。自分は先崎先生を知っているので、お酒飲みながらはやめたほうがいいですよとお伝えしたいですね(笑)。
――深浦一門のツイッターという投票もありました。去年はされていませんでしたが、これは弟子の佐々木大地さんが?
深浦 やろうと。ツイッターやると、ツイッターやっている人の苦労とかファンの方の反応がわかったので、やってよかったです。勝ったときとか、お祝いのことばもいただけますし。
遠山 師弟でされているのは珍しいですよね。
深浦 最近、家内に釘を刺されるんですよ。大地くんに辛いツイートとかしちゃダメよって。
遠山 わはは(笑)。