あえて申し上げれば、眞子さまは「時間の余裕がありすぎる」のではないでしょうか。私が欧州王室を研究していて、日本の皇室について思うのは、彼らがこなす公務の量は諸外国の王室に比べて極端に少ないということです。とりわけ英国王室と比較するとそれは顕著です。
現在、日本の皇室で公務を担っているのは16名で、85の団体の総裁や名誉総裁を務めています。イギリスでは約20名の王室メンバーで3000近い団体の総裁や名誉総裁(パトロン)を担っています。現在95歳のエリザベス女王も600の団体のパトロンを担われています。先日急逝されたエディンバラ公フィリップ殿下は、2017年の5月に96歳で引退表明するまで785の団体のパトロンを一人で担っていました。
汗を流している王室だからこそ、国民も敬愛する
ちなみにハリー王子とメーガン妃が本国で今大変な批判に晒されているのは、フィリップ殿下が担っていた785のパトロン職のうちハリー王子とメーガン妃が引き継ぐ職も多くあったのに、それを「投げ出した」形になっているからです。
実際、名誉総裁とは言っても、その活動は形式的なものばかりではありません。それぞれの団体について、今どういう状況なのか把握している必要もありますし、節目の式典には出席しなければならない。イギリス王室はこうしたパトロン業務でとても忙しいのです。そして国民も王室がそれだけ国民のために汗を流していることを知っている。だからこそ、王室への敬愛の情も生まれるのです。
イギリスのキャサリン妃が公務で着用した洋服やアクセサリーは、その都度注目を浴び、ネット通販などで即完売しています。最近ではキャサリン妃の子どもたちの服も注目を浴びるようになりました。なぜキャサリン妃のファッションがこれほど注目されるのかといえば、それは大前提としてまず王族としてやるべきことをやっているからです。それでいて、子育てもし、エリザベス女王も支え、ファッショナブルだったら、女性たちの憧れになるのも当然でしょう。
翻って、眞子さまについては、何をしているのかほとんど報道がなく、出てくるのは小室さんとの結婚問題ばかり。これでは、何をやっているのか、という声が出るのも当然です。私は、皇族については、もっと積極的に各団体の総裁職や名誉総裁職を担うべきだと思います。無論、いずれ結婚したら臣籍降下する女性皇族に、そのような職責を担わせるのかという指摘はあるでしょうから、この話は女性宮家の創設とセットですが。