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「挿入してください」「できません」年間255人に施術したセラピストが明かす女性向け風俗利用客の“欲望”

『「女性向け風俗」の現場 彼女たちは何を求めているのか』より #2

2021/05/18
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 お客さんへの事前アンケートの中で挿入の希望を聞いていた時期があるのですが、8割の女性が挿入を希望されていました。男性も女性も性は本能の領域になることを感じます。しかし、女性は男性よりも性のスイッチが入りにくい構造になっています。そして、ひとたび女性のスイッチが入ってしまうと、本能で挿入を求めてしまうこともあります。女性が男性よりも性欲のスイッチが入りにくいのは、自己防衛の意味もあると思います。事前アンケートに、私気持ちよくなってしまうと挿入をお願いしてしまうと思います。その時は断って下さいとお願いされたこともあります(事実、お願いされました)。

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 また、挿入に関して、女性の性のプロなのに下手すぎるというセラピストの話もしばしば聞きます。例えば、「挿入を体験してみませんか? との申し出があり、プロのセックスに興味があったのでお願いしたところ、2分で瞬殺してしまい、笑いそうになりました」という情けない話や、「もっと気持ちよくしてあげると言うので挿入に合意したのに、私がイッてないのにセラピストさんがイッちゃったんです。自分だけ楽しんで酷い話だと思いませんか!」という不満なども聞きます。

「挿入してもらった時に『どう。気持ちいいでしょ?』と自信満々に聞かれて、思わず感じている演技をしてしまった自分が情けないやら残念やら。私、お金払って何やってるんだろ」と、風俗を利用してまで演技をした自分を悔いている女性もいます。

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「挿入するから、色々なトラブルになるんだよ」という、この業界20年のベテランセラピストの一言が、私の心の深くに残っています。

裸を見ても全く興奮しなくなる

 男性向け風俗は、お金を払って女性の身体を触らせてもらう風俗です。一方、女性向けは、女性がお金を払って触ってもらう風俗です。立ち位置が、男女の風俗で逆になります。

 友人から「お金をもらって触らせてもらえるなんて、最高じゃん」と羨ましがられることが、しばしばあります。しかし、お金を払って触るのと、お金をいただいて触るのは次元が異なります。男性向け風俗は、女性の身体という商品が存在しています。一方、女性向け風俗では、男性の身体以上に女性を満足させることが商品になります。