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「目が疲れやすいゲーム機」「疲れにくいゲーム機」はあるのか?

 テレビやディスプレイを使う、プレイステーションなどの据え置き機、携帯ゲーム機、スマホなど……さまざまなデバイスでゲームをプレイできる。

 平松医師によれば、「ゲーム機によって、目にかかる負担は変わる」という。

「画面の大きさによって変わる距離だけでなく、『見る角度』『輝度(明るさ)』も重要です。角度や明るさによっては、ドライアイ(乾き目)や視力低下の原因になるといわれています。

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 軽視されがちなのが『見る角度』。これは、画面の位置が固定されている据え置き機で生じやすい問題です。人間の目というのは、水平から少し下を見ている時が最も負担が少ない。目安としては、『水平に視線を向けたところから15度下に画面の上端がある』というのが良いでしょう。見上げる角度になっても、これ以上見下ろしてもいけません。特に見上げる角度だと、目を見開かないといけないので、目が疲れやすく、乾きやすくなります」

悪影響が懸念されるのはゲームだけではない

 ゲームが人生を豊かにする。そう説明しても、「脳に悪影響だ」「目が悪くなる」と批判を受けることがある。その批判は、完全な間違いではないものの、100%正しいわけでもない。専門家の医師に聞いて、あらためてそれがよく分かった。どんなものでも依存性は生じうるし、仕事や遊び、さらには勉強にまでパソコンやタブレット、スマホが使われる機会が増えている以上、目に悪影響が懸念されるのはゲームだけのはずがない。

 世の中には、ゲーム以外にもさまざまなスポーツや趣味があり、それぞれが学びや気付き、他者との交流など、人生に彩りを与えてくれる。ただ、怪我や依存、人間関係のこじれなど、リスクがゼロであるものなど存在しない。ゲームもそれと同様に捉えていいはずだ。

 リスクを正しく認識したうえで、楽しめばいい。「賢くなる力」を備えたトッププロゲーマーの半生から見えてきた「ゲームを通じた気付きや学び、成長の素晴らしさ」は、香川県の条例をはじめとする単純で乱暴な“ゲーム批判”によって否定されるものではない。

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