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 韓国では欧州に倣って現在は30代以下へのアストラゼネカ製の接種は止めている。6月3日までとされる60~74歳までの予約も低調(50~60%)で、これもアストラゼネカ製ワクチンへの不安からだといわれている。

キャンセルによる「空き」がわかるアプリ登場

 こうした傾向の中、「ノーショー」といって予約してもキャンセルしたり当日接種に現れない人が出て、廃棄に至るケースが相次いだ。そのため、当局は、3月中旬には廃棄を最小限に止める目的で指定している接種年齢以外でも打てるようにした。

 アストラゼネカは1瓶あたり12人への接種が可能で、開封後は6時間以内に使い切らなければならない。そのため、韓国では1瓶あたり7人の予約があった場合にのみ接種可能としていた。しかし、委託病院で予約人数の調整が負担になっているといわれ、1瓶あたり5人の予約が入れば接種を許可する法案を現在審議中だ。

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ワクチン接種会場の様子 ©getty

 この余った分で接種したという58歳の会社員はいう。

「年齢からいえば、秋頃に接種できるかなあと思っていたのですが、ノーショーで余ったぶんが打てるときいて、さっそく病院に電話予約して1回目を5月初めにうちました。2回目は7月末です。韓国でも感染者が増えていますから、早くに集団免疫ができるように早めに接種したほうがいいと思うのですが、周りに話をしても『リスクの低いファイザーにしたい』という人が少なくないですね」

 高血圧の持病があるこの会社員は悪寒と熱(37.5度)に悩まされたが、週末だったため会社を休まずに済んだという。回復した3日目には出社したと話していた。

「ノーショー」などにより、どのくらいのワクチン残余がどの委託機関にあるかの情報をわかりやすく知らせるために、韓国の大手ポータルサイトNAVERとカカオトーク(ラインと同じような韓国でメインのメッセンジャー)が確認できるアプリを製作し、27日トライアルが始まった。

 これは、どこの委託機関で「ノーショー」によりどのくらいのワクチン残余があるかがわかるようになっているもの。指定した委託機関(5カ所まで可能)で残余が出ると自動的にアラームなどで知らせが入ってくるようにもなっており、予約も可能だ。