〈11月に集団免疫を〉
そんな目標を掲げている韓国。先ごろ行われた初の米韓首脳会談では、米国が韓国に対して新型コロナワクチン(以下、ワクチン)の緊急支援をし、のちに韓国の製薬会社の設備を用いてワクチンを生産して米国に返却する「ワクチンスワップ」を結べるのではないかと大きな期待がかかったが実現はせず、ワクチンの追加供給は駐韓米軍と接触する韓国の軍人への55万名分に止まった。韓国は防疫に成功している先進国であることが理由だと報じられている。
一方で、サムスンバイオロジクスがモデルナの委託生産に合意し、8月から生産(原液を瓶に移し入れる)が始まるともいわれ期待も膨らんだが、生産や供給分量への韓国の決定権はないとされ、嘆息が漏れた。
日本より進んでいる、韓国のワクチン接種
日本と同じくワクチン接種が後れている韓国でワクチン接種が始まったのは2月26日。
日本より1週間ほど遅れてスタートした。
「コロナワクチン予防接種対応推進団」によると、契約が完了しているワクチンの総数は1億9200万回分。韓国の総人口は5182万1669人(5月25日時点)。登録されている外国人(127万1807人、2019年)を合わせても十分な量だが、問題は供給が後れていたことだった。
韓国では75歳以上にファイザー製を接種し、5月に入り予約が始まった60歳~74歳にはアストラゼネカ製を接種。新たに供給が始まったモデルナ製も接種対象になっている。一次接種が終わったのは人口の7.8%で、2次接種が完了した人は3.9%だ。ちなみに、日本では一次接種が終わったのは人口の5.9%、二次接種が完了したのは3.6%だ(5月27日時点、Our World in Dataより)。
韓国でもまず医療従事者、75歳以上の高齢者や長期介護施設の従業員などから接種が始まった。医療従事者の9割が一次接種を終えているといわれるが、高齢者などではワクチンが足らず中断され、5月22日から再開された。