コロナ禍という苦境、ミニマムな経営方針、そうした厳しい環境の中でも独立独歩の精神で戦った選手たちは、まさしくワイルドパワーの体現者となれたのではないでしょうか。それこそが、わずか1シーズンながら、地域の人たちを徐々に魅了していった最大の要因だったのだろうと思います。
“ホーム感”に満ちた会場で
5月15、16日に浦和駒場体育館で行われたホームゲーム。会場の雰囲気は、開幕のころとは全く違うものになっていました。
開幕当初は、古くからのコアファンの方々がしかめ面で私たちのやり方をチェックしているような空気がありましたが、今では大半がファミリー層です。ほとんど告知をしていないのに、たくさんのお客さんが来場し、みなさん素直に正しく楽しんでいる。その結果、会場には“ホーム感”が満ちていました。その光景を目にしながら、私はあらためてこう思いました。
「正しいことを粛々とやっていれば、ちゃんと伝わるんだな」
親会社への忖度や個人の保身、業界のしがらみなどに囚われず、経験に裏打ちされた正しいと信じたことを貫き続ければ、人の興味関心は集まってくる。
私がずっと考えてきたことはやっぱり正しかったのだ、と思えた瞬間でもありました。
今では借金の返済が済み、通帳とにらめっこする必要もなくなり、来季のための投資ができるような財務状態になりました。
ほぼ日本人だけで戦った経験は選手たちの財産となり、そこに新たに獲得する外国人が加わることで、チームは間違いなくステップアップするでしょう。今季は見送らざるを得なかった集客のためのマーケティングも、来季は多少はできるようになると見込んでいます。
サバイブするためのミニマムな経営は、選手にとってもスタッフにとっても不自由なところが多くありましたが、このコロナ禍を乗り越えたとき、その経験が組織の強みになります。
最下位のポジションから、来季はどこまで上に駆け上がれるか。
さいたまの人々からの声援が、来季どこまで膨らんでいくのか。
楽しみでなりません。
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