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「客がいきなりイソジンを…」コロナ前より“収入増” 吉原の真理子(33)が告白した“驚きのタンス貯金”

日本色街彷徨 東京・吉原 #3

2021/06/05
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「見知らぬ男の人の前で裸になるのは嫌でしたよ」

 それでも、何とか夫婦生活を続けたいと思っていたというが、結婚生活は3年が限界だった。

 娘の親権は彼女が持ち、養育費を払うという約束だったが、1年ほどでそれも途絶えた。さらに元夫が免許を持っていなかったので、車を購入し、水道工事の職人だった彼を仕事場へと送迎していたのだが、そのローンの残金200万円も彼女が払うことになった。

「離婚してすぐは、実家にいたんですけど、親のスネをかじるのは嫌だったんで、東京に出ることにしたんです。手元にお金はなかったんですが、払うものは払わなければならない。学歴もあるわけではないですし、そうなると私の中で風俗で稼ぐということしか思い浮かばなかったんです」

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©八木澤高明

 それにしても、離婚の原因となったDVだけでなく、車のローンまで払わせるとは、とんでもない男である。それでも彼女は、淡々と事実を伝えるだけで、表情は変わらない。人間としての強さを感じずにはいられなかった。

 風俗で働くことへの抵抗感はなかったのだろうか。

「最初に働いたのはデリヘルだったんですけど、見知らぬ男の人の前で裸になるのは嫌でしたよ。友達で働いている子もいたんで、続けることができました」

 デリヘルでは月に60万円ほどの収入になったという。続けていくうちに、吉原ならもっと稼げると知り、どうせ体を晒すならできる限り稼ごうと移ることにした。

©八木澤高明

 最終的には、店でトップを張るまでになったが、吉原での仕事は、苦労の連続だったという。

「ベッド、マット、ベッドと3回するのが基本で、デリヘルとは違って、本番をしないといけないじゃないですか。最初の日は、家に帰る時に涙がこぼれました。あと、はじめはなかなか指名が取れなくて、悩む日々が続きました。お客さんに自分ができる範囲で恋人気分で接したり、特別な事をしてあげようと考えるようになったら、自然と指名が増えていったんです。それでも、毎日ラインのやり取りをしたり、仕事でキスしたことを食事中に思い出したりすると、吐いたりすることもありました。肉体的ばかりでなく、精神的にとても辛い仕事です」

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