お客さんの仕送りの合計は月100万円以上にも
現在は、予約が入った時に出勤するソープの仕事で月に30万円、仕送り30万円と合わせれば、60万円の収入になる。その額を確認すると、真理子が言いにくそうに口を開いた。
「実は、他にも昼間の仕事がなくって大変だろうと、お金を送ってきてくれる人がいるんです」
このご時世でも金はあるところにはあるんだなと、驚いた。
「送ってくれる人が他にも5人いるんです。細かい仕事のことは言えないですけど、5人の仕送りは75万円になります。仕送り全部とソープの仕事を合わせると月に130万円以上になって、以前ソープで働いていた時より多い金額になります。送ってくれている人には、申し訳ないですけどソープに復帰したことは隠しています」
コロナという風俗業界にとって未曾有の危機を彼女は逆手に取って乗り切ろうとしていた。男たちの良心を利用していると、不快に思う人もいるかもしれない。私は転んでもタダでは起きない彼女の強かさに拍手を送りたいと思った。
空いた時間で始めた「新たな仕事」
月に数回吉原で働き、客だった男たちから仕送りをもらい、コロナ以前以上の現金を得ている真理子だが、以前に比べ空いた時間で、もうひとつ仕事の掛け持ちもはじめた。
「私は家でのんびりするのが嫌なので、時間があったら働きたいんです。以前吉原にいた時は、生理の時しか休みませんでした。今は月に4、5日しか吉原に行かないので、空いた時間でデリヘルに在籍しています。それなら吉原のお客さんともまったくかぶりませんから。おそらくその収入は45万ぐらいになると思います」
逞しいなと心から思った。国からは満足な補償もなく見向きもされない日陰の業界ではあるが、コロナ禍であっても、体を張り続け、働き続ける彼女に敬意を覚えたのだった。
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