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事件現場となった蒲田の店を訪問

 警視庁関係者はロイヤル蒲田ボーイズについて、こう語る。

「ロイヤル蒲田ボーイズの所属メンバーは120~130人と見ている。出稼ぎで来日した家族がいるのを理由に、“家族滞在”の在留資格を持って日本に暮らしているメンバーがほとんどだ。ネパールタウン化する蒲田在住のメンバーが多い。日本の生活に馴染めずに不良化したネパール人の若者によって、ロイヤル蒲田ボーイズが形成されていった。警察としては今後、勢力拡大をしていくと予想して全容解明に力を注いでいる。準暴力団化する可能性が高い」

 警視庁が準暴力団指定を見越しているロイヤル蒲田ボーイズ。私はロイヤル蒲田ボーイズについて取材をするべく、事件現場ともなった蒲田のネパール料理店Sを訪問した。店内に入ると、カレーの匂いが漂っている。

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 20代だと思われる若いネパール人男性店員が出迎えてくれた。細身のイケメンでモデルのような容姿だ。テーブルに置かれたメニューを取ると、油でベトベトしている。私はいい加減、連日のネパール料理の食べ過ぎで苦痛を感じていた。

 ネパール人男性店員が水を出してくれた。注文を聞かれる。私はネパールビールを頼んだ。店内に流れるネパール音楽を聴きながら、ネパールビールを飲む。ロイヤル蒲田ボーイズは、店内に流れているBGMを勝手に変えたことでトラブルを起こした。そのような小さな問題で、どうしてそこまで腹を立てたのだろうか。ビール瓶で頭を殴るというところが、日常的に喧嘩をしていることを感じさせる。

 私はいつも通りの慣れた風で、途中でネパール人男性店員を呼んでククリラムを頼んだ。ネパール人男性店員は礼を言い、ククリラムを作りに行く。これを何度も繰り返す。その後が重要だ。酔っ払った振りをして様々な情報を聞き出すのである。

写真はイメージ ©iStock.com

ネパール人男性店員の顔がひきつった

 何杯目かのククリラムを持ってきてくれた時、私は尋ねた。キッチンにいる他のネパール人店員に聞かれないよう、離れた隅の席に私は座っていた。

「この店で去年、ロイヤル蒲田ボーイズというグループが喧嘩をして、今年に逮捕される事件がありませんでしたか? 私は警察と仲が良い」

 ネパール人男性店員の顔がひきつった。

「そこにいた。暴れられて大変だった。店にも迷惑。もう、ここ来れない」

 どうやらロイヤル蒲田ボーイズのメンバーはネパール料理店Sを出入り禁止になったようだ。だが、どうも私には嘘をついているように感じられた。

「お兄さんの名前は? もう、日本長い?」

 困惑した表情をするネパール人男性店員。

「バハドゥール(仮名)です。22歳。日本に来て4年」

 そう答えると、キッチンの方に戻っていってしまった。私は気付いていない振りをしていたが、キッチン中でバハドゥールは、他のネパール人店員と共に、私を睨み付けながら話をしていた。仕切り直すことにした私はククリラムを飲み終えて会計をする。レジで会計をするバハドゥールに、入店時に迎えてくれた笑顔は一切なかった。