——『おばあちゃん育て』のコツは?
光浦 うんざりするぐらい自分のことばっかり考えてきたから、「こういうとこはいいけど、ここはあんまりよくない」って知り尽くしてるんですよ、自分のこと。そうなると自分のことを分析できるじゃないですか。そういう人間が笑って生きていける環境を今からちょっとずつ作っていこうと思って。
赤の他人だと思って自分の老後を考えてるんです。こんなにすぐ傷ついちゃう人が、人としゃべりたくないけど本当はすごい人としゃべりたい人が、ただのわがままな人が、それを全部うまいことやるためのレールを今のうちに敷いておこうかなと。
——レールというのは具体的に?
光浦 自分を分かってるからこそ、今のうちにどういう試練をさせるべきか、どういう体験をさせるべきか考える。だから、子育てみたいな感じ。あんまり打たれ弱い子どもはキャンプにでも行かせろとか、そういう感じ。海外に行くっていうのは、それもちょっとあるんですよ。
——ああ、そういうことですか。
光浦 頭でっかちになりすぎちゃって、わがままで言い訳ばっかりする癖が私にはあるので、このままはちょっとめんどくさい。日本語を上手に駆使するから、何でも言い訳できちゃうんですよ。そこが自分の悪いところだなと思ったので、だったら一回言葉が通じないところに行ってこい、って。
——言葉で生きてきた人から言葉という武器を取り上げる……。
光浦 その武器、いいふうに使ってないなとも思ったんですよ。言葉尻とかに敏感になりすぎちゃった。日本語に敏感になりすぎて、人の発する言葉にイヤ~ッてなったり。
——そうやって自分を今から育てる、時に厳しく。
光浦 そう。そうして思いのほか強気になる可能性もあるでしょ。それはそれで面白いなと思って。
——光浦さん、強気になって帰国する可能性ありますよね(笑)。
光浦 そう。やっぱり帰国子女とか、うちらよりちょっと上の世代の海外で働いてた人って、やっぱり面白いですよ。強いし。
強い女の人が好きな理由
——本の中でも光浦さんは「強い女の人が好き」と公言されていますよね。
光浦 大好き、大好き。もともとは本当にフィジカルで強い人にあこがれたの。男の人をぶっ倒すっていうのが本当に子どもの時から好きで。