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連載文春図書館 ベストセラー解剖

10代の感想の熱量がすさまじい…「SHINee」メンバーの愛読書 韓国の大ベストセラーが日本でも売れたワケ

『すべての瞬間が君だった』(ハ・テワン 著)――ベストセラー解剖

2021/06/30
『すべての瞬間が君だった』(ハ・テワン 著/呉 永雅 訳)マガジンハウス

 音楽、小説、映画、ドラマ……第四次韓流ブームが様々なエンタメで沸き起こっている。本書もそのひとつ。人気グループ「SHINee」のメンバーの愛読書であり、「梨泰院クラス」で大ブレイクした俳優パク・ソジュン主演の人気ドラマ「キム秘書はいったい、なぜ?」の劇中でも印象的に用いられ、広く認知された。恋人を始めとする人間関係に揺れる心や、暮らしの中で感じる胸を締め付けられるような不安にそっと寄り添う言葉が詰まった、SNS発の詩集だ。

「韓国では50万部を超すベストセラーになっていたものの、日本ではなかなか詩の本は売れないので、挑戦的な企画でした。ただ、本書は純粋な文芸としての詩ではなく、思いを吐露するエッセイのようでもあります。読んで最初に連想したのは、10代の頃に熱心に接していた銀色夏生さんの作品でした。同じように、今の若い人にも気軽に手にとり、共感してもらえそうだと感じたんです」(担当編集者の能井聡子さん)

 宣伝はインスタグラムなどのSNSをベースに展開。だが、読者はがきというアナログな手法での反響が、驚くほどあったという。

「上は70代から下は10代まで幅広いのですが、10代の感想の熱量がすさまじいんです。ほとんど悩み相談のよう。それくらい心に深く刺さる内容なのだと思います」(能井さん)

2020年5月発売。初版1万部。現在17刷13万部(電子含む)

すべての瞬間が君だった きらきら輝いていた僕たちの時間

ハ・テワン ,呉 永雅

マガジンハウス

2020年5月28日 発売

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