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「翌日になっても、痛みを紛らわすためか趣味の将棋のゲームをずっとやっていました。それでも痛みがおさまらないようで、接種の案内の紙に書かれていた川崎市の問い合わせ先に主人が『湿布でもした方がいいのか』と尋ねる電話をしました。担当の女性は専門家ではなかったようで『後で折り返します』と言われ、主人も電話番号を伝えたのですが、その後今に至るまで折返しの連絡は来ていません。

主人は泡を吹いていて、救急隊が懸命に心臓マッサージを…

 昼に主人が好きなアイスの『ガリガリ君』を食べて、夕方には日課の散歩に行きました。その間もずっと『腕が痛い』と言い続けていました。それでも食欲も普段どおりで、夕飯の里芋の煮っころがしとアジの干物も私の分までペロリと食べていました。20時半頃にまたアイスを食べて、寝る前にトイレへ行ったのですが……」

 しばらくして妻が部屋を出ると、哲郎さんがトイレの前で仰向けに倒れていたという。

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哲郎さんが倒れていた廊下

「最初は寝ているのかと思い『こんなところで寝ていたら風邪ひくで』と言ったのですが、反応がない。慌てて隣の家の方にも助けを求めて、救急車を呼んでもらいました。そのときには主人は泡を吹いていて。救急車の中では救急隊の方が懸命に心臓マッサージをしてくれましたが、搬送先の病院で23時43分に死亡が確認されました。あまりにも突然でその時は何も考えられなかったんですが、徐々に『もしかしたら前日に打ったワクチンが原因だったのでは』という思いが大きくなっていったんです」

遺族が取り寄せた搬送記録の書類

「一方的に100%と言われても…」

 死因を詳しく調べるために、哲郎さんの遺体は11日の未明に神奈川県警が委託する県内の医療機関に移送された。哲郎さんの三男が続ける。

「その日のうちに『死因は心臓によるものです。詳しく検査するため、3~4日後に連絡します』と警察から伝えられました。遺体は葬儀屋さんからすぐに病院に送り返され、医療機関はCTや血液の検査をしたようです。解剖などはありませんでした」

 最終的に、検査に当たった医師から死因について電話で説明を受けたのは2週間後の6月25日だった。

生前の哲郎さん 絵と旅行が好きだった

「先生から死因は『虚血性心疾患の冠状動脈硬化症』と説明された上で『ワクチンと岡部さんの死亡には100%因果関係がない』と聞かされました。詳しい検査結果も見せてもらえず、ただ一方的に100%と言われても……。もっとできる検査があるのではないかと納得がいかなかったし、せめて直接先生と会って、お話を伺いたいとお願いしました」(哲郎さんの三男)