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〈目薬〉トレンドは「超高級目薬」

 洋服に流行があるように、実は市販薬にも“流行”があります。もちろん「薬は成分で選ぶもの」ですから、流行(はや)っているものに飛びつく必要はありませんし、必ずしも新商品のほうが良い薬とは限らないのが市販薬選びの難しいところです。とはいえ、小売市場に流通する「商品」でもある市販薬には、トレンドという要素もあることを知っておくと、市販薬を見る目は磨かれることでしょう。

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 そうした市販薬の流行を、現在もっとも象徴していると私が感じるジャンルが目薬です。半ば私の独断と偏見が入っているかもしれませんが、近年の目薬に見られる4つのトレンドをご紹介します。

 一つ目の流行は「超高級目薬」です。ご存知でしょうか、ひとつ1600円もする目薬がいくつもあることを。安い目薬なら3~5個買えてしまうほどの値段です。2019年には「ロートアルガード クリニカルショット」という花粉症用の目薬が税抜き2200円で発売されました。

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 超高級目薬の特徴は、使われている成分の種類の多さとその濃度です。「高級目薬だけに使われているヒミツの成分」というのは、実は今のところありません。目薬に使える成分は、国によって決められているからです。ではなにが高価格の理由かというと、乱暴な言い方をすれば、とにかく目に効きそうな成分をできるだけ数多く盛り込んでいる……それが超高級目薬です。

 市販薬の目薬市場ではここ数年、高価格品のシェアが増えています。スマホやパソコンの使用によって目が疲労している人が増えているのでしょう。1600円という“目が飛び出そうな”価格にもかかわらず、店頭では「これで効くなら試してみたい」と購入する人が後を絶ちません。1個300円の目薬を買うのとは訳が違いますので、失敗しないよう、ご興味のある方は薬剤師・登録販売者に相談してみてください。