舌がまるでピッコロ大魔王のような緑色
すると、舌がまるでピッコロ大魔王のような見事な緑色になり、1時間以上も色が落ちませんでした。デート中の口臭予防に使いたい人は、舌の上で溶かすような蛮行はやめたほうがよいでしょう(そもそも口の中で溶かす薬ではありませんのでご注意ください)。
もう一つ、市販の口臭対策としては、うがい薬があります。「イソジン」などの殺菌効果を持つうがい薬の効能・効果をみていただくと、最後の方に「口臭の除去」と書かれています。ただし、口内の菌が繁殖している朝や、食後などの一時的な口臭に対してのみ、実用的な印象です。
口臭に対して他に何ができるかと言えば、薬以外の対処法です。
2013年の海外の論文では、口臭の90%は口の中に原因があり、残りの約9%は呼吸器系や消化器系、糖尿病などの代謝系などで、1%は食生活などとされています。口の中に問題がある口臭の主な要因は、舌苔(ぜったい =舌のコケのこと)と歯周病だと考えられています。口の中は適度な温度と湿度があるので細菌が繁殖しやすく、その結果、揮発性の硫黄化合物が発生し、口がにおうようになるのです。
菌が繁殖しやすい環境には、口の渇きなどがあります。その原因は、無意識に口呼吸で口を開けていることの他に、緊張やストレスで交感神経が活発化して唾液の量が減ることなどが考えられます。
口のにおいが気になったら、口の中を潤すこと、日頃から歯磨きを欠かさないこと、もし気になるなら舌苔をとる舌ブラシ・舌クリーナーも今はたくさん種類があります。「リステリン」などのアルコールタイプの洗口液による消毒も一時的な効き目が期待できます。こうした日頃のケアと、定期的な受診が重要といえそうです。
引用文献
『形成外科診療ガイドライン7 体幹・四肢疾患』金原出版
「原発性局所多汗症診療ガイドライン2015年改訂版」『日本皮膚科学会雑誌』2015.Vol.125 No.7
健栄製薬ウェブサイト「汗や臭いを抑える!焼ミョウバンの力」
厚労省ウェブサイト「平成28年歯科疾患実態調査」
「東京歯科大学千葉病院口臭外来受診患者の最近3年間の臨床統計」『日本歯周病学会会誌』2013.Vol.55 No.1
「銅クロロフィリンナトリウムの口臭抑制効果」『日本歯周病学会会誌』1981.Vol.23 No.3
「チューインガムの口臭抑制効果 Gas Chromatograph による判定 (第2報)」『日本歯周病学会会誌』1983.Vol.25 No.4
「Halitosis: From diagnosis to management」2013 (PMID: 23633830)