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私が知っている範囲でも、廃墟に無断で立ち入った罪で立件・起訴されて有罪になったケースや、民事訴訟で数十万円の支払いを命じられたケースがある。
また、この施設は、多くの人が静かに信仰を行っていた大切な場所だ。そこを破壊したり、落書きをするというのは、そうした人々の思いを踏みにじる行為である。
この場所が生まれ変わる日まで
さらに、今もここを管理している宮崎さんは、心ない落書きや放火に心を痛め、日々、その片づけや草刈りをされている。広大な敷地ゆえに管理が追いつかない部分はあるものの、宮崎さんのような管理者の方がいるのだから、ここは廃墟だとは言えないだろう。
宮崎さんは、ここが早く有効活用されることを願っている。建物はとても立派なものなので、大幅にリフォームすれば建屋を活かすことが出来そうだし、解体して新たな建物を造ることも可能だ。興味のある方は、ぜひご検討いただきたい。
私としても、多くの人が穏やかに祈りを捧げていたこの場所が、いつかまた、人々の笑顔につながるような、そんな場所に生まれ変わることを願っている。
撮影=鹿取茂雄