文春オンライン

連載池上さんに聞いてみた。

「出演者同士の距離が近すぎる」と心配に…池上彰氏の感じた“コロナ慣れ”

「出演者同士の距離が近すぎる」と心配に…池上彰氏の感じた“コロナ慣れ”

池上さんに聞いてみた。

2021/08/25
note

Q 池上さんがコロナ禍に「慣れた」と思うことはありますか?

 今年もお盆の帰省をやめることにしました。昨年は「今年が最後のお願いです」と政治家の人がカメラに向かって発言する中で、ずっと前からとっていた飛行機のチケットをキャンセルしたのですが、今年はもう予約すらしておらず、こういうところで自分の「コロナへの慣れ」を感じてしまいました。

 池上さんは、そうした「慣れ」を感じることはありますか?(30代・女性・公務員)

テレビ局で働く人たちにもコロナへの「慣れ」はあるのか?  ©️iStock.com

A 多くの仕事がリモートになり…

 多くの仕事がリモートになったことが「慣れ」でしょうか。テレビ局の番組は、コロナ禍の前は、収録あるいは生放送の前に2回は放送局に集まって打ち合わせをしていました。

ADVERTISEMENT

 しかし、いまはリモートでの打ち合わせ。担当者が作った台本の叩き台を共有画面に出して議論しています。

 この結果、テレビ局への往復時間など随分と節約できるようになりました。反面、そうした打ち合わせは午後の9時頃から始めることが多くなり、結局、深夜まで働くという構図に違いはありません。

 出版社との打ち合わせも同様です。対談で本を作るときも、最近はほとんどZOOMを使っての対談です。

 あとは、テレビで昔の番組を見ると、「出演者同士の距離が近すぎる」と心配になっている自分に気づきます。コロナ禍の前に収録されたのですから問題はないのですが、これも「慣れ」ですね。

昔の番組を見ると、「出演者同士の距離が近すぎる」とつい心配に… ©️iStock.com

 リモートに慣れるのはいいことですが、「人と人との距離」が気になるのは、「慣れ」てほしくないことだと思います。

「○○さんに聞いてみた。」のコーナーでは、みなさまからの質問を募集しています!

質問投稿フォーム

「出演者同士の距離が近すぎる」と心配に…池上彰氏の感じた“コロナ慣れ”

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー