その中で、コミュニティを守る取り組みとして、運営のルールである「コミュニティ・ガイドライン」を設け、「YouTube で許可されること、禁止されること」を明示しています。YouTube のミッションを実行するためにコミュニティガイドラインを違反するコンテンツを取り締まりながら同時に表現の自由も守るという、一見相反することを実行していく使命が YouTube にはあります。その中で、たとえば悪意のある表現を禁止するポリシーを策定し、そういったコンテンツの投稿を禁止しています。
これらのガイドラインは、研究者や外部の専門家と協議して、継続的に更新しています。コンテンツの確認は、人の目だけではなく、Googleの高度な機械学習の技術と組み合わせて、違反コンテンツに対する措置もしっかりやっていきます。Googleだけでも、審査に1万人くらい置いています。先ほどもご紹介したコミュニティを守る取り組みの一つに、間違った情報の拡散を減らすリデュース(Reduce)があります。これは、ガイドラインのボーダーライン上のコンテンツをおすすめとして表示する割合を減らす取り組みです。
木村花、三浦春馬……
著名人に対する誹謗中傷、ネットいじめ
――女子プロレスラーの木村花さんがSNS上で誹謗中傷を受け、自殺に至った事件が記憶に新しいですが、「ネットいじめ」は現代における社会問題となりつつあります。俳優・三浦春馬氏が自ら命を絶ったときのように著名人の逝去が報じられると、親族を騙る投稿など不適切な動画がアップされる事態が相次いだこともありました。こうした誹謗中傷動画やコメントについて、ご見解をお聞かせ下さい。
仲條 YouTube上でいやがらせや誹謗中傷、悪意のある表現を減らし、誰もが安心して安全で活気あるYouTubeという場所に参加できるようにしなくてはなりません。
コミュニティ・ガイドラインに違反する投稿に関しては機械学習を使ったチェックと、専門家と担当者による人的判断の組み合わせで、コンテンツを削除する、チャンネルを停止するといった処置を行っています。
違反動画を減らすためには、人工知能と人間によるチェック、その両方が重要です。今も世界中で1万人以上の人間がコミュニティの安全を守るために働いています。YouTubeは80言語・100カ国以上で展開をしているサービスですが、言語や社会的な文脈に通じた方々が参加してくれています。