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3ヵ月で約1000万件の動画削除

――YouTube側で削除している動画はどのくらいあるのでしょうか。

仲條 2021年の1~3月の3カ月間では950万件以上の動画を削除しました。そのうち10回の再生未満のうちに削除されたものは65%ほどに上りました。人目につく前での削除をより増やしていく必要があります。

――YouTubeは今後も差別やネットいじめの問題に取り組んでいくのでしょうか。

仲條 はい。人種などに対する差別的な内容を含むヘイトスピーチやネットいじめ、いやがらせは最も重点的に対応すべき課題ですので、日本では法務省などこの問題に取り組む現地のパートナーとも議論を重ねながら、コミュニティを守るために2019年に大きくYouTube上のルールを変更しました。

 YouTubeでは元々、オンライン・ハラスメントやネットいじめに対するポリシーは徹底しています。ですので、個人に対する脅迫にあたるコンテンツはすぐに削除される仕組みになっています。ただ、最近ではコロナ禍で著名人が亡くなったり、才能ある方々が命を落とすことがあった際に、そういった著名人の死を祝うような動画が複数投稿されました。これらは脅迫にはあたらないものの、れっきとした有害なコンテンツだと考えています。しっかりとルールを更新して、削除などの対応ができるようにしています。

 今年の4月には法務省人権擁護局に「YouTube 公認報告者プログラム」に参加してもらうことになりました。法務省の人権擁護機関による削除要請を優先的に審査の対象とするもので、これまで以上にYouTubeをより安全なプラットフォームにできると思っています。

――前述の「収益化の可否」とは別に、「ただ目立ちたい」という若者たちを助長しているという側面もあります。その延長線には、飲食店やコンビニのアルバイトによる「バイトテロ」や、先述のへずまりゅうなど、投稿者が逮捕されるというケースは増えてきています(今年3月には、元人気ユーチューバーの「ワタナベマホト」容疑者が、少女にわいせつな画像を送らせた疑いで、警視庁に逮捕された。その他にも、北海道旭川市で当時14歳の廣瀬爽彩(さあや)さんが凍死した状態で発見されると、同3月、自称YouTuberの「折原」こと東優樹容疑者が現地を直接訪れ、その活動報告を投稿。その後、YouTube外のSNS上における強要未遂容疑で逮捕された)。

ワタナベマホト氏(ユーチューブより)

 こうしたYouTubeが与えた世の中の若者たちへの影響については、どのような見解をお持ちですか。

仲條 YouTube上のルールも世の中の事象に合わせて、対応をしていくべきだと考えています。新しいルールを作る際には外部の専門家の方々に話を伺って、クリエイターの方々とも意見を交換する場を持ち、「今のルールで本当に十分なのか」を検討しています。 また、クリエイターとの意見交換の場を持つことで、YouTubeがコミュニティに還元できることを常に考えています。

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