思い切った品川区の回収方法
品川区は2005年7月から東京23区で初めて区内全域で戸別回収を導入した。それまでは他の区と同様、集積所にゴミを集めて、収集員がゴミを回収していたが、有料袋ではない都市部において区内全域で、戸別回収というのは、当時とても画期的なことだった。
狙いはゴミ出しマナーの向上だった。確かにそうだろう。それまでは集積所に出すのであれば、夜中に捨てれば誰が出したかわからない。誰が出したかわからなければ、人に迷惑がかかっても、関係ないと言わんばかりに、毎回同じようなルール違反のゴミを出す。得てしてゴミというのは、伝染する。適当なゴミを見ると、このくらいの分別でよいのかと悪い人の真似をするのが、人間である。マナー違反というものは、手を打たなければどんどんと悪くなる。
そこで品川区は思い切ったね! 全てを戸別回収に変更。自分の家の前にゴミを出さねばならない。そうじゃなきゃ回収しない。すぐに効果があったという。
確かにそれはそうだろう。今までは集積所という目眩しでマナー違反を隠していたのに、自分の家の前に出さなければならなくなったというのだから、誰が出したか一発でバレてしまう。ゴミを持っていってもらえないと困るので、今まで以上に分別をきちんとやり、ルール違反にならないようにゴミカレンダーを見て、判断する。ゴミに対して意識が芽生えるシステムだ。
すると意外や意外、マナー向上だけではなく、ゴミが減ったという。2016年度の品川区のゴミの量は、システムを導入した2005年度に比べて、可燃ゴミが2割減ったというのだから、驚きだ。ルールを向上させようと思ったら、思わぬ副産物がついてきた。これはラッキー! これに続けと言わんばかりに、現在では台東区も戸別回収を行っている。
確かにゴミの量が多いってちょっと恥ずかしくない? 家の前にどーんと大量のゴミを3袋、毎週出していたら、何あそこの家? 何食ったらあんなにゴミ出るの? とか思われたら、悔しくて眠れない。(そんなことないか?)
ま、分別していたら、ゴミが減ったとか、ゴミに意識が芽生たとか、ゴミが増えるから、コレはいらないや、とやり過ごすこともあるかもしれない。