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二時間で2万円くらいと知って「え、払えるじゃん」

 フリーランスのデザイナーとして働いているミユキさんが、女性用風俗を利用し始めたのは、二〇一八年十二月のこと。その前に、配偶者とのすれ違いが続き、十年続いた結婚生活を解消した流れがあった。

「家を出て、一人暮らしを始めて、『結婚してたときにできなかったことをいろいろしよう!』と思ってマッチングアプリに登録したりもしたのですが、うまくいかなくて……。離婚後、一年目のクリスマスの直前に、ある女風のサイトを訪問しました」

 その店で働く男性をたまたまネット番組で見かけ、サービスの存在を知ったのだという。

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「その人——女風業界だとセラピストやキャストっていうんですけど——は、“最低男”のようなくくりで、自分の女性経験をあれこれ話していました。ホスト系の顔立ちでした。こういう人が働いているんだなぁとだけ思って、その後しばらくは忘れていたんです。

 でも、個人的にメンタルが落ちてしまったタイミングで『女性用風俗』で検索したところ、二時間で2万円くらいの相場感なのを知って。『え、これなら払えるじゃん』と思って、そのまま店のLINEアカウントにメッセージを送って、初利用の予約をしました」

 サイトには、セラピストのプロフィールと写真、出勤スケジュールなどが掲載されているが、顔を完全に出している人は少数。出しているパーツの雰囲気や自撮りの撮り方、プロフィール文を吟味して、一人のセラピストを指名した。

「初回はとっても緊張してましたね。いまだに相手から『最初はガチガチだったよね』と言われるくらい(笑)。風営法の条文を読み込んで、ブログやSNSで体験談もチェックして、ホテルは休憩でも予約ができる小綺麗なところとして『バリアンリゾート』を予約しました。指名料、ホテル代、相手の交通費を入れて、合計3万円くらいです」