無難を捨て、敢えて「連闘」で臨む
――エントリーチームは予選E組に参加されました。初戦はチーム斎藤(斎藤慎太郎八段、村山慈明七段、都成竜馬七段)との対戦で、その第1局が梶浦-斎藤戦でした。
梶浦 そこまではよかったんですけど(笑)。斎藤さんに勝った後、連闘で臨んだ都成さんに負けたのが大きく、チームの勢いを削いでしまいました。
――今回のABEMAトーナメントでは「連闘」が一つのキーワードになっていると思います。
梶浦 勝負手ですよね。勝てば大きく、負けてもでかい。そして後半のメンバーが読まれやすくなる。普通に考えれば一人ずつ変えていくのが無難ですよね。今回は「勝ったら連闘しよう」というのは前からの方針でした。ただ、私の力が足りませんでした。
――「力」について具体的にいうとどのようなことでしょうか。
梶浦 自分については、瞬間で悪い手を指してしまうことがありました。短い時間ながら急所で腰を落ち着けられるかどうかです。そのための時間配分もありますが、読みをより速く、正確にする必要を感じました。
――エントリーチームは続くチーム渡辺(渡辺明名人、戸辺誠七段、近藤誠也七段)にも敗れ、残念ながら予選敗退となりました。そして梶浦さんの個人成績は2勝3敗(斎藤と近藤に勝ち、渡辺に2敗、都成に1敗)でした。
梶浦 ABEMAトーナメントに出たいという思いはずっとあり、同世代の近藤誠也七段と佐々木大地五段が前回に出て、自分が出られなかったのはすごく悔しかった。ですから今回出られたのはすごくうれしかったです。強い人と指せたのも大きいし、チーム動画の撮影も面白かったです。ただ、エントリーチームがどれだけ勝つかということに注目している方も多かったと思うので、それで早々に負けてしまったのは申し訳なかったです。
――次回のドラフトでは、有力候補になるのではという評判もあります。
梶浦 そういっていただけるのはありがたいですが、力がついているかどうかがすべてでしょうね。選ばれるように頑張りたいです。