――2年前の6組、昨年の5組、そして今回の4組における、ランキング戦3期連続優勝についてはいかがですか。
梶浦 2年前の6組優勝までは他の棋戦も含めて、一番上まで行ったことがありません。竜王戦だけ調子がよく、相性がいいのかなという気がしています。じっくりと考えたいタイプなので夕食休憩がある持ち時間5時間というのが、もしかしたらあっているのかもしれません。それまで持ち時間についてはあまり考えたことがなかったのですが、竜王戦を踏まえると長いほうがいいのかなという気もしてきました。もちろん、どんな状況でも強いのが理想ですが。
「負けたらしょうがない、次に向けて切り替えることも大事でしょう」
――あと1勝すれば挑戦者決定戦進出という「竜王戦ドリーム」が見えていましたが、惜しくも敗れてしまいました。
梶浦 去年も今年も、どこまで行こうというのは考えておらず、1局1局を全力で戦うことだけを考えていました。準決勝まで来たから挑決が見えてきたという意識はありません。ただ、昨年の七番勝負第1局で大盤解説に呼んでいただき、セルリアンタワーの能楽堂という大舞台での対局を見て、大きな勝負を逃したのかと残念に思うことはありました。
【第34期竜王戦本戦準決勝・永瀬拓矢王座-梶浦宏孝七段】
— 読売竜王戦【公式】 (@yomiuri_ryuo) July 28, 2021
いよいよ終盤戦。迫力満点の考慮姿勢の永瀬王座。酸っぱいポーズ再び。軍曹のバナナはまだ手付かず。梶浦七段は盤面を凝視して考えます。
読売オンラインで対局、写真を速報中です↓https://t.co/YgvhSaeNL1#竜王戦 #永瀬拓矢 #梶浦宏孝 pic.twitter.com/0uFNRPHxVb
昔から世話になっている永瀬さん(拓矢王座)とこんな大きな舞台で戦えるというのは、すごくうれしかったですね。終わってみると、とても強かった、自分との差を大きく感じたというところです。
――そもそも、ベスト4というのは、「ここまで来た」という自信になるのでしょうか、それとも「あと一枚を抜けられなかった」という悔しさのほうが強いのでしょうか。
梶浦 どっちですかね。自分は負けを引きずるということはなく、自分が劣っていたということで納得している部分もあります。半分半分なのかなあ。結果に満足してはいけないと思いますが、負けたらしょうがない、次に向けて切り替えることも大事でしょう。
目標は年間30勝とタイトル獲得
――改めて、今後の目標についてうかがいます。短期的なものと長期的なものをそれぞれお願いします。
梶浦 短期的なものだと、今年度に30勝を上げたいという気持ちがあります。今13勝ですが、棋士になってから年度30勝を達成したことがないので、それはひとつの目標ですね。それだけ勝てればどこかの棋戦でいいところまで行くでしょう。竜王戦では負けましたが、新人王戦でもベスト4まで残っています。こちらも昨年は準決勝で負けたので、決勝という舞台に臨めるかどうか。それが一つのステップだと考えています。長期的な目標はタイトルを獲るということですね。