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――お父様は「俺の名前は絶対に使うなよ」と言ったり、「俺の名前を使っていいぞ」と言ってきたりするそうですね。

紘毅 それ、しょっちゅうです(笑)。親父として、芸能人としての両面性があるんですよね。『さんま御殿』の時も、親心と先輩としての指導みたいのが入り混じっているのが伝わるからおかしくて(笑)。

 親父が名前を使うなよと言うのにも理由があるんですよ。以前二世ネタの番組に出た時に、僕が話した内容がオンエアされたら再現VTRでぜんぜん違うものになっていたことがあって。「多額のお小遣いをもらっていた」とおもしろおかしく編集されていたんです。

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 それで、放送翌日に、親父が周りからいろいろ言われたらしくて。「清さん、やっぱり太っ腹だな。息子に大金の小遣いやるなんて」みたいな。

 それで「お前どういうことだ」「言ってないけど、そういう風に編集されて」「そういう風にもなにも、おまえがそういう話に乗った時点でおまえが悪いんだよ」「でも、言ってないから」「言ってなくても言ったことになるんだよ。世の中ってそうなんだよ。俺が悪い親になるんだよ。二度と前川の名前を出すな」って、正座状態で説教されましたね。それもあって、今は前川紘毅じゃなくて紘毅で活動しているんです。

「悪かったな、生んで」と言われて

――お父様も紘毅さんをそんなふうに育てたとは思われたくないでしょうしね。

紘毅 そうですよね。ただ、そのとき僕は「俺はそう言っていないのに」という気持ちも強かったので、「親父の子供になんか生まれなきゃよかったよ」って言ってしまって。

 ぶん殴られるのを覚悟したら、「悪かったな、生んで」って、その喧嘩が終ったんですよ。そんなの子供として一番言ってはいけない言葉だったとすぐに気がつきました。

 

――それは殴ってくれたほうが、まだ気持ちが救われるというか。

紘毅 殴られる覚悟で言ったのに、謝られてしまったのが辛くて辛くて。言い訳しようと親父の部屋に行きましたけど、「もう、いいから。入ってくんな」って言われて。「悪かったな、生んで」と言ったときの親父の顔は、今でも思い出します。

――お父様との関係は、なかなか改善しなかったのでしょうか。

紘毅 時間はかかりましたね。当時は、実家に住んでいたけど2年くらいは親父とまともに喋らなかったんじゃないかな。