あと、どこかで二世タレントみたいな扱いに悩んでいた部分もあったんです。でも、そうならなきゃ世に出られないのもわかっている。開き直るわけじゃないけど、そういう立ち位置にいていいんだと思わせてくれたのも浜田さんですね。
いまでもプライベートでご飯とか連れて行ってくれますし、いろいろ相談に乗ってもらっています。「こんなテーマで番組の出演依頼が来てるんですけど」って言うと「ええんちゃう」「やめたほうがええで」とか、エピソードトークも「ここから先はいらんわ。そこだけ話して」とか。
――お優しいんですね。
紘毅 そんな方に話の練習にまで付き合っていただくなんて、本当に失礼なことなんですけれども。
結婚直前、幼い頃の写真を見返して気づいたこと
――結婚されて、娘さんも誕生して、また親子の関係について考えたりする機会も多いのではないですか?
紘毅 披露宴とかパ―ティーで、新郎新婦それぞれの幼い頃の写真を映し出したりするじゃないですか。それ用の写真を探そうとアルバムをめくっていたら、親父がちっちゃかった僕をおんぶしてたり、抱っこしてたり、いろんなところに連れて行ってくれている写真がいっぱいあるんですよ。
それまで親父との思い出といったら、衝突してばかりだった中学以降のことしか浮かんでこなかったんです。だから、それを見ていたら泣いちゃって、中学以前の親父とのことも思い出してきて。「そういえば、めっちゃ優しかったなぁ」って。そこから厳しかったり、口うるさかったのにも、ちゃんと親としての想いがあったからなんだなとわかりましたね。
今は、親父はSNSやネットがさっぱり理解できないので、YouTubeの番組を一緒に撮ったり、いろいろと自分たち主導でやらせてもらっています。一緒に旅番組やラジオに出たり、主題歌を作詞作曲して、美味しい思いもさせてもらっています(笑)。
結婚してからは、以前より接し方が変わったというか、関係が柔らかくなりました。もともとは優しい人なので、これからはこの関係性が続くといいなと思っています。
――娘さんが音楽の道に進みたいとなったら、バックアップされますか。
紘毅 娘はのびのびと好きなことに打ち込めるような環境を作ってあげたいと思います。なんでも相談に乗ってあげられる父親でいれたらいいなと。
でも、中学くらいになると、娘も自分みたいになるのかなあ……その時は真っ先に親父に相談するようにします(笑)。
撮影=今井知佑/文藝春秋