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江夏豊が語るセ・パの現役強打者への思い…“20世紀最高の投手”は現代野球をどんな気持ちで見ているのか?

『強打者』より #2

2021/10/04
note

山田哲人(二塁手)/同一シーズン「本塁打王&盗塁王」の“二刀流”

●92年7月16日生まれ、兵庫県出身。180センチ、76キロ。右投げ右打ち

●履正社高〈甲子園〉→ヤクルト(11年ドラフト1位~)

★通算10年、1058試合、1153安打、打率.293、214本塁打、635打点

★首位打者0度、本塁打王1度、打点王0度、最多安打1度、盗塁王3度

★MVP1度、ベストナイン5度、ゴールデングラブ賞0度、球宴5度

★主な記録=トリプル・スリー3度(日米でバリー・ボンズと2人のみ)、サイクルヒット、38連続盗塁成功、本塁打王と盗塁王の同時獲得

【江夏との通算対戦成績】対戦なし

 山田哲人君(ヤクルト)は、大阪・履正社高の出身だ。履正社高の先輩であるT-岡田君(貴弘)に倣ったのと、名前の「哲人」から、チーム内では「ティー」と呼ばれているらしい。それにしても大阪出身なのだから阪神がドラフト指名しなくてはいけないのではないか。

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「花道を飾りたい」という中日ナインの気概が大逆転に

 ちなみに山田君が指名された10年秋のドラフトは、斎藤佑樹投手(日本ハム)が1番人気の年で、大石達也投手(西武)・福井優也投手(広島)の早大投手トリオがいた。 

 ほかには澤村拓一投手(中大→巨人)、榎田大樹投手(福岡大→東京ガス→阪神)がドラフト1位。ドラフト2位には同じトリプル・スリーの柳田悠岐外野手(広島経大→ソフトバンク)、美馬学投手(中大→東京ガス→楽天)がいた。

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 柳田君と並び、この年の出世頭とも言える山田君は、斎藤佑樹投手、塩見貴洋投手(楽天ドラフト1位)の「外れ・外れ1位」であった。

 11年ヤクルトはペナントレースで10ゲームの大差を中日に引っくり返された。優勝・中日、2位・ヤクルト。中日は落合博満監督の退任が決定事項であって、「花道を飾りたい」という中日ナインの気概が大逆転につながった。