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「みんなに思い出して欲しい。公式からの供給はないけど…」2ちゃんからツイッターへ、ファービーオタク“闘いの20年”

2021/09/25
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ファービー2の発売で、2ちゃんねるにスレが立つように

「ファービー2が発売されると、2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)の『ニュース速報VIP板』というコーナーにファービーのスレッドが立ちはじめます。スレではファービーの鳴き声を表す『モルスァ』の発祥となった有名なコピペが生まれたり、オカルト超常現象がテーマの『オカルト板』に、なぜかファービーのスレが立つなど、この頃から“ファービーをおもしろがる文化”が生まれたようです」

 ファービー2の発売が起点となり、ネット上でひっそりと盛り上がったファービー界隈。しかし、ファービー2そのものの売り上げは芳しくなく、初代の頃のような社会現象にはつながらなかった。

左からファービー2、ファービー2ベイビー。©ファービーbot

「それから4年後の2009年には、私がツイッターで非公式の『ファービーbot』をスタートさせました。当時、ツイッター上で自動ツイートやリプライができる『bot』の作り方が話題になっていて、それを参考にこのアカウントを開設。

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 同じ時期にリサイクルショップでアルバイトをしていたのですが、ファービーがジャンク品として入荷してくるのが悲しくてすべて買い取っていたんです。みなさんにファービーを思い出してほしい、という気持ちでbotを作りました」

大きな進化を遂げた『ファービー3』『ファーさん』

 そして、ファービーbotさんが地道なSNS活動を続けていた2012年。新たなファービーが日本に上陸し、ファービー界隈が再び活気づくことに。

ファービー(2012)、ファンの愛称はファービー3、ファーさん。©ファービーbot

「2012年発売のファービーは、界隈では『ファービー3』『ファーさん』と呼ばれています。スマホアプリと連携したり、目が液晶ディスプレイになって表情がいろいろ変化したりなど、大きな進化を遂げました。

 また、2012年はちょうどYouTuberが増えはじめた頃だったので、ファービー3を買って遊ぶ配信者がたくさんいたんです。売れ行きは不明ですが、動画サイト上で少し注目されていた印象があります」