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自然と共に暮らしたい

 もう一つのきっかけは、私の師匠でアーティストの岡本亮さんという方です。奈良の移住促進施設にたまたまアユ突きに来ていらして、仲良くさせていただくようになりました。私はアラスカを撮り続けた写真家の星野道夫さんの本に感銘を受けて以来、自然と共に暮らしたいと考えていたんです。師匠は現代アーティストなんですが、若い頃から、アラスカで川下りをしたり、川や海で生き物を獲って食べたり、楽しみながら山や森のエネルギーを日常に変えているんです。だから、宿泊施設ume,yamazoeをこの場所でやりたいと思ったときに、岡本さんなら核心を突いたアドバイスをしてくださるだろうと相談しました。建築士さんを紹介してくださったり、岡本さんのおかげで素晴らしい施設を作ることが出来て感謝しています」

 アラスカに生涯を捧げた星野道夫も、サウナが好きだった。

 ネイティブアメリカンの儀式、スウェットロッジ。いわゆる昔ながらのサウナの中で、薬草でロウリュをし、神聖なる祈りをささげる。この体験を通して、星野道夫はアラスカの地で生きていくことを再確認したという。

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「星野道夫さんの『旅をする木』という本には、世界を見る目線や自然を掴む感覚が、すごく美しい文章で綴られています。自然に囲まれた場所で穏やかな気持ちで世界を見ることができれば、定運さんに言われた『今その場所を楽しく生きる』ということに近づけそうな気がする。だから山添村に住めないかなと考えだしたのが26歳ぐらいのときです。その頃は寿司の営業からツアーコーディネーションまで、毎日、日付が変わるくらいまで働き続けていました。その最中に村に引っ越し、実家との二拠点生活を続けていました。すると、2日前と戻ってきた日で、少しだけ咲いてる花が変わっていたり、すごく星がきれいに見えたり、時間の中で変化していくものに気がつけるようになってきたんです。そんなこともあり、もっと山添村で仕事がしたいなって思い始めました」

旧さと新しさが調和した心休まる客室。
まるで天空の城。
各客室に文庫が置いてある。

 自分心の中にあることにまっすぐに、それを仕事にしていく。

 その信念と実行力は、父・康之から受け継いでいるように思える。

 そして梅守はume,yamazoeの開業にむけて走り始める。

【続きを読む 「ただの雑木を近所のおっちゃんから買って、火入れに2時間半もかけてた」 サウナ経営初心者の33歳女性が“人間に戻る”ために作った“天空の城”】

INFORMATION

 

住所:奈良県山辺郡山添村片平452
HP:https://www.ume-yamazoe.com/information
お問い合わせ:
予約の空き状況や、サウナのお時間の確認、その他お問い合わせはLINE公式アカウントより受付ております。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。