とはいえ、望遠レンズで接写するだけならまだマシだという。
「運営としていちばん嫌なのは、写真がヘタというか、ヘタな写真を平気でSNSにアップするファンですね。何百枚も撮った写真を全部ネットにあげてたりするので、なかにはアイドルが半目だったり、可愛くない表情だったりする。そんな写真を他のファンが見たらアイドルのイメージダウンになるじゃないですか。
撮るのはいいし、ネットに挙げるのもいい。でも、せめて可愛い写真を選んでアップしてくれとは思いますね」(坂本さん)
撮影会の間、ひたすら昇り旗を振って応援している人
カメラ好きのアイドルファンには「撮影会」というイベントがある。参加費は高いが、水着姿のアイドルを思う存分撮ることができるので人気が高い。しかし、ここにも不思議なファンが集ってくると、アイドル撮影会を運営している尾花隆史さん(仮名)はいう。
「みなさんすごく高価で高性能なカメラを持ってくるなか、懐かしの使い捨てカメラを片手にやってくる中年男性がいるんですよ。たぶん、近くでアイドルを眺めたいだけなんでしょうけど、不思議ですよね。
あと、推しているアイドルの名前の入った昇り旗を持ってきて、撮影会の間、ひたすらその旗を振って応援している方がいました。最初は事務所の関係者なのかなって思ったんですが、一般のファンの方みたいで、写真も撮らずに時間いっぱい応援してましたね」(尾花さん)
ライブでも撮影会でも、アイドルの接触系イベントで運営がいちばん気をつけているのは、アイドルとファンが「つながる」ことだ。連絡先の交換などを目論むファンはたくさんいるようで、運営側としても特に未成年のアイドルには気をつけて対策しているという。
そこで、主に小・中学生のキッズ系アイドルグループを手がけている石田英之さん(仮名)に伺った。
「ウチは握手会もあまり行わないですし、接触にはかなり気をつけてます。会場の入出時も徹底的にガードしますし、イベントにはアイドル本人の保護者の方になるべく同伴してもらうようにしています」(石田さん)
しかし、そこで新たな問題が発生する。