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「故郷の味が食べられる」と在日中国人に大人気…“ガチ中華”出店ラッシュの池袋で何が起きているのか

「故郷の味が食べられる」と在日中国人に大人気…“ガチ中華”出店ラッシュの池袋で何が起きているのか

池袋・中華フードコートレポート

2021/10/16
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友誼食府(ゆうぎしょくふ) 

友誼食府の店内の様子

 元祖中華フードコート、友誼食府には6店舗が出店している。上海料理の「大沪邨(ダウツン)や、四川料理の「香辣妹子(シャンラーメイズ)」、東北系の点心を出す「三宝粥店(さんぽうかゆてん)」、台湾料理の「匯豐齋(えほうさい)」などだ。

 池袋には中国の東北料理系のお店が多いため、台湾料理が食べられる匯豐齋はめずらしい。魯肉飯(ルーロー飯)や麺線(台湾式煮込み麺)、臭豆腐など台湾の夜市でおなじみの料理を楽しめる。友誼食府での注文と支払方法は以下のとおりだ。

1.注文したい料理を決めて値段を確認する。

2.フードコートの入り口にレジがあるので、店員に注文したい料理の値段を伝える。

3.レジでお金を払い、専用のカードに金額分をチャージしてもらう。(現金のみ)

4.チャージしたカードをお店まで持っていき、店員に渡して注文する。(1の時に頼んでもよい)

5.料理ができあがったらお店まで取りに行く。

 中国の大学の学食と似たような注文方法になっていて、少し複雑だが慣れてしまえばスムーズに注文できるようになるだろう。いくつかのお店の料理を少しずつ注文して、お気に入りの中華料理を見つけるのがフードコートならではのおすすめの食べ方だ。また、併設している中華物産店で売っている青島ビールや台湾ビールを持ち込んで飲むこともできる。

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 大沪邨や、三宝粥店は池袋に本店が、匯豐齋は祐天寺に本店があるので気に入ったら本店に行ってみるのも良いかもしれない。フードコートにあるメニューは調理場のスペースの関係で限られているので、本店だとさらに多くの料理を楽しめるはずだ。

匯豐齋の臭豆腐と香辣妹子の担々麺。臭豆腐は台湾夜市そのままの味だ。

食府書苑(しょくふしょえん)

 食府書苑も友誼食府と同じビルにあるので、食べ比べてみるのがおすすめだ。こちらも10月1日現在6店舗が出店している。西安料理の「凡記(はんき)」や雲南料理の「日興苑 食彩雲南(にっこうえん しょくさいうんなん)」、湖南・四川料理の「品品香(ピンピンシャン)」、福建料理の「沙県小吃(シャーシェンシャオチー)」、東北系の串焼きや中国式煮込み料理の「滷煮炸串串(ルージュージャーチュァンチュァン)」、台湾のドリンクスタンドの「珍煮丹(ジェンジューダン)」だ。

 中でもおすすめなのが日興苑 食彩雲南の薬膳汽鍋鶏スープである。鶏肉を丸々使った薬膳スープだが、なんと無水で作られているという。鶏肉を5~6時間蒸して出た滋味深いスープは絶品で、蒸すのに時間がかかることから一日に70食しか提供していない限定メニューとなっている。

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