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――たしかに週5は多い方ですよね。

堀米 雄斗たちはね、「365日滑ってろ」といったらずーっと滑ってるんです。ちょっとおかしいんじゃないかなと思うくらい。それでスケートビデオなんかもこっちが心配になるくらい観るようになっちゃって。小学校2、3年生ぐらいの時とかは、「観ろ」といっても全然観なかったのに。いろんな人と接しているうちに「ビデオを観るのが大事なんだ」ということに自分で気づき始めてからは、すごかったですね。

――なるほど。

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堀米 だから僕だけの力じゃないんです。そういう環境もよかったんですかね。よく英才教育だって言われるんですけど、うちってそれとは逆なんです。たしかに小さい頃は教えたりしていたけど。

 ジャガー・イートン(※東京オリンピック男子ストリート部門の銅メダリスト)は親がスケーターで設備の整ったスケートパークを運営していて。6歳までは体操をやらせて、それからは家のパークでみっちり鍛えるみたいな。ああいうのは英才教育って言われてもいいと思うんですけど。うちってどっちかというと、限られたものでどうにかやっていこうみたいな感じだったので。真逆だと思うんです。それがよかったんだと思うんですよね、雄斗には。

「銅でも獲ったか?」って聞いたら「金だよ! 金!」って(笑)

――そうですね。なんていったって金メダルですものね。

堀米 ああ、もうびっくりしてるね。

――ちなみに雄斗さんのオリンピックでの活躍はリアルタイムで観ていたんですか?

堀米 予選での雄斗の滑りだけ観ました。でもそのあとは観ていられなくて。大好きな自転車でサイクリングに行きました(笑)。何も考えずに気持ちよく走っていたら、同僚から「おい! 観てるか?」ってすごい勢いで電話がきたんです。「銅でも獲ったか?」って聞いたら「金だよ! 金!」って(笑)。まさか金メダル獲るとは思っていなかったので、びっくりしました。

©今井知佑/文藝春秋

――優勝後は雄斗さんと会いましたか?

堀米 優勝したあとはかなり忙しかったみたいですけど、それでも家族でお祝いにご飯を食べに行きました。奥さんに「やっぱり金メダル獲ったからいいとこ予約しとけよ」って言って(笑)。それで最後にお会計を見たら、「あっ」と思って、「雄斗払っとけよ」って言いましたけど(笑)。

 そんな感じで家族でも仲良くしています。弟たちとも小さい頃は喧嘩とかありましたけど、今はすごく仲はいいです。「アメリカに来なよ」って誘われるんですけど、僕は飛行機が苦手なので行けないんです(笑)。

――(笑)。亮太さん独自の子育て論みたいなのってお持ちですか。

堀米 特にないですね。スケートボードに関しては自発的な部分が育ってくれたらいいなと思いながら教えていました。