日韓中から33人ずつ99人を集め、9人組ガールズグループのデビューを目的とするK-POPオーディション番組『Girls Planet 999』(以下『ガルプラ』/ABEMA・金曜20時20分)。エピソード6~7にかけて行われたコンビネーションミッションを経て、参加者は26人にまで絞られた。そのなかにはデビュー経験者が11人も含まれるように、もはや精鋭揃いだ。

 エピソード9~10では、参加者は3つ目の関門であるクリエーションミッションに挑んだ。ここでは、このために創られた4つのオリジナル曲をそれぞれのチームに分かれてパフォーマンスする。もっとも優れていたチームには、視聴者投票の最後24時間に得票が2倍になるベネフィットが与えられる。

 現場で審査する少女時代のティファニーは、始まる前にこう述べた。

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「これまでは実力を見てきましたが、今回からは創造(創意)力が重要です」

 ダンスやヴォーカルの実力はもはや前提とされ、ここからは個々人がどう表現するかがポイントになる。

大きな注目を浴びる“浪人生アイドル”

 このオーディションに参加しているスー・ルイチーは、初回から大きな注目を浴びている。中国勢としては、シェン・シャオティンに次ぐ人気を維持してきた。

 彼女は四川省成都出身の21歳だ。中国では少数民族のムスリム・回族である。2018年10月に中国で5人組グループ・Chic Chiliのメンバーとしてデビューもしている。だが、グループはヒットしたわけでもなく、2020年以降の活動はほとんど目立たない。

 その一方で、ルイチー個人は中国で多くの衆目を集めてきた。オーディション番組に複数回チャレンジしてきたからだ。

 最初は、2018年4~6月に放送された『創造101』だった。『ガルプラ』の前身である『PRODUCE 101』の公式中国版だ。当時17歳だったルイチーは、すでに芸能プロダクションに所属していた。

写真いちばん右がルイチー。

 このオーディションで、ルイチーは順調にミッションをクリアして勝ち上がっていく。番組で大きく目立つことはなかったが、ダンスを中心に技術力は当時から安定していた。とくにテイラー・スウィフト「Look What You Made Me Do」を課題曲としたパフォーマンスでは、その身体能力を発揮して強い輝きを放った。

 ファイナルひとつ前の段階で25位となって脱落したが、他の参加者のキャラクター性ばかりが目立ったこのオーディションにおいて、堅実に実力で勝ち上がっていった印象がある。