ひたすら真面目で、バラエティ企画で目立たない
最初のミッションで精鋭揃いのチームに入った彼女は、メインヴォーカルを決めるためのテストで選ばれなかった。このとき、ルイチーは涙を流しながらこう話している。
「ずっと自分はけっこう実力がある方だと思っていましたが、メンバー全員が選りすぐりの場合、本当はすごくないんじゃないかと思い始めました」(『創造営2020』エピソード3/2020年5月16日)
もともとスー・ルイチーは、感情をあまり表に出さないタイプだ。こうしたオーディション番組の参加者の多くは、ノリが良くて明るいタイプが多いが、彼女は口数は多くなく表情もあまり変わらない。年齢のわりには落ち着いている印象だ。
それは過去のオーディション番組でも同じだった。3年前の『創造101』で印象的だったのは、控室で他グループのパフォーマンスを観ているときの光景だ。周囲が大盛り上がりするなか、彼女はひとり立ち上がって一心不乱に振り付けを真似していた。
それもあって、ミッションの合間に挿入される、参加者のキャラクターに注目するようなバラエティ企画ではまったく目立たない。中国版『プデュ』でも今回の『ガルプラ』でも、そうした際はいつも後ろの方で静かに佇んでいる印象が強い。ざっくり言えば、ひたすら真面目でノリが悪いタイプだ。実力に秀でている彼女が中国版『プデュ』でデビューを逃したのは、おそらくこの側面の影響が大きい。
昨年の『創造営2020』では、13位に入って勝ち上がった2回目の順位発表で、こんなスピーチをしている。
「私は口下手です。あるひとにこう聞かれました。『ステージ裏のあなたはどういう人ですか?』と。そのとき、私は青春をすべて練習室で過ごしたと気づきました。今年20歳ですが、レッスン歴は4年半です。小さいときからずっと練習していました。ステージに立っているか、練習をしているかです。自分がどんな人かと言えば、私はとにかく熱血で、ステージを愛し、そのために生まれてきた人間です。ステージで自分を証明したいです」(『創造営2020』エピソード7・Part1/2020年6月13日)
スー・ルイチーが、とてもストイックかつ情熱的なタイプであることがうかがえる発言だ。だからこそ自信もあるが、その一方で壁にぶつかるとひどく落ち込んでしまう不器用さも同居している。