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 次にルイチーがオーディション番組に参加したのは、それから2年後のことだった。『創造101』の続編である『創造営2020』だ。2020年5~7月に放送されたこの番組では、前回脱落した他の参加者とともに“浪人生”として再び挑んだ。

ラップと高音パートを同時に務め、それを見事にクリアするも...

 ルイチーは、このときも順調に勝ち上がる。さらに2年前と違い、存在感も十分に示した。とくに前回突破できなかった3段階目のミッションでは、ライブ会場の投票でチーム1位になるほど注目される。ラップと高音パートを同時に務め、それを見事にクリアしたからだ。それまでのオーディションで、ルイチーがもっとも輝いた瞬間だった。


 しかし、彼女はここでもデビューを逃した。スタートから常に11~13位と上位を維持したものの、このときのデビューグループのメンバー数は7人だった。『プデュ』シリーズは11人グループを多くデビューさせてきたが、このときだけは例外だったのだ。最終11位のルイチーは、またもや涙をのんだ。

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「自分が思うほど才能があるわけじゃないと感じて……」

『ガルプラ』が始まったのは、それから1年3ヶ月後のことだ。

 ルイチーは今回も順調に勝ち上がっている。そして今回、3つ目の関門であるクリエーションミッションに臨んだ。ここでルイチーが挑んだのは、ムーンバートン(EDMの一種)の楽曲「Snake」のパフォーマンスだ。表題どおり、蛇のように相手を挑発する強めの曲だ。

 7人で演じられるこのパフォーマンスにおいて、当初ルイチーはメインヴォーカルを担当していた。しかし中間評価において、現場で審査するK-POPマスターたちから、フー・ヤーニンとポジションを変更することをアドバイスされる。ルイチーのヴォーカルがやや不安定だったからだ。

 練習段階でトレーナーがこうした提案をおこなうのは、K-POPオーディション番組では珍しくない。それは、あくまでもチーム全体のパフォーマンスをより良くするためで、受け入れるかどうかは本人たちしだいだ。

 ルイチーはこの提案にとても気落ちし、当初はメインヴォーカルを譲ろうとしなかったが、渋々ポジション変更を受け入れる。しかしその後も練習に集中できず、他の中国勢から幾度となく説得された。

 ただ、彼女が落ち込んでいたのは、単に自分が望むパートをできなかったからだけではない。ルイチーは嗚咽しながら自分の思いをメンバーに打ち明けた。

「今日の出来事で、自分が思うほど才能があるわけじゃないと感じて……」

 自信を持って臨んだメインヴォーカルをダメ出しされたことに、彼女は強いショックを受けていた。しかも、今回は3回目のオーディション番組だ。デビューにかける思いは、人一倍強いはずだ。


 昨年参加した『創造営2020』でも、ルイチーは似たような場面で涙を流している。