日韓中から33人ずつ99人を集めて始まった、K-POPオーディション番組『Girls Planet 999』(以下『ガルプラ』/ABEMA・金曜20時20分)。9人組ガールズグループを生むためのオーディションは、エピソード3~4の最初のミッションを経て45人の脱落が発表された。
その過程では、日韓中の参加者たちの異文化コミュニケーションが目立った。その様子を大まかにまとめれば、はっきりと自己主張をする中国勢に対し、大人しくて積極性の乏しい日本勢、そしてその両者を気遣う韓国勢というものだ(「消極的すぎる日本勢、自己主張する中国勢…日中韓オーディション番組『ガルプラ』に見る日本人アイドルの『壁』」2021年9月10日 )。
そしてエピソード6~7では、54人から半分の27人(日韓中9人ずつ)まで減ることとなる新たなミッションが行われた。
アレンジやリリック、振り付けが任せられる
ここから始まるのは、11グループで行われる「コンビネーションミッション」だ。ダンス、ヴォーカル、ラップの各ポジションに特化した既存曲で競い合う。ただし、各グループの人数は異なる。3人グループは6組、6人グループは3組、9人グループは2組の編成で、これまで同様、全チームで日韓中の人数は均等だ。そして各グループごとの勝利チームは、視聴者投票に得点が上乗せされる「ベネフィット」を獲得できる。
課題曲は、前回順位の上位の参加者から選択していく。それぞれ自分の特長をアピールできる曲を選ぶが、定員に達したグループは締め切られるので、順位が低い参加者は不本意な選択をしなければならなくなる。
また、各課題曲のアレンジは参加者に委ねられる。ヴォーカルポジションであれば、曲のキーや生バンドにおけるアレンジを決めなければならない。ラップポジションでは参加者自身がリリックを書き、ダンスポジションでは振り付けやフォーメーションを考えなければならない。
つまり、単に既存曲をコピーするのではなく、能動的にパフォーマンスを創っていく能力も評価対象となる。そこで目指されているのは、プロダクション主導の“ファクトリー(大量生産型)アイドル”ではなく、パフォーマーたちの能動性・自律性を重視するK-POPの“ガールズグループ”だからだ。
コンビネーションミッションにおいて勝利したのは、そうした主体性を発揮した3チームだ。