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歌詞、振り付けを自ら考えさせる…オーディション番組『ガルプラ』に見る、K-POPアイドルが「大量生産型」を脱せたワケ

2021/10/01
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 こうした状況をリードしてきた存在は、やはりBTSだ。代表曲のひとつである「IDOL」(2018年)では、冒頭で「アーティストと呼ばれても、アイドルと呼ばれても、俺は気にしない。俺は自由だ」と歌う。リーダーのRMが作詞・作曲に携わったその歌詞は、2018年段階におけるBTSの所信表明だった。

 『ガルプラ』が向かうのもこの地平だ。そこで目指されているのは「アイドル」概念を拡張した「音楽をちゃんとやるアイドル」とも言えるし、逆に従来の「アイドル」からの離脱とも言える。

 なんにせよ、呼び方がなにであろうとも音楽とちゃんと向き合う。『ガルプラ』は、そのためのトレーニングをオーディションの過程に組み込んでいる。それは、音楽的なアップデートが見られず凡常化した日本のアイドル文化とは、もはや比較が難しいほどの差異となりつつある──。

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大きな順位変動が起こる可能性

 次回のミッションでは、26人(中国勢がひとり辞退)から18人にまで絞られる。次は4つのオリジナル曲をパフォーマンスするクリエーションミッションだ。

 今回発表された順位の票数(生存24人のみ)を偏差値で表すと、以下のようなグラフとなる。当落は韓国票50%、グローバル票50%に換算されて決められる。

 中国勢はシェン・シャオティンの独走状態、日本勢は上位3人に票が集中、そして韓国勢は大混戦だ。なかには、スー・ルイチーのように過去の言動によって韓国とグローバルで人気が極端に異なる参加者もいる。  

 

 次からは投票方式も変わる。これまで日韓中3人ずつ9人に票を入れる形式だったのが、各1人ずつ3人に票を入れる形式に変わる。よって、次回は大きな順位変動が生じる可能性が高い。だれがデビューメンバーになるかはまだまだわからない。

歌詞、振り付けを自ら考えさせる…オーディション番組『ガルプラ』に見る、K-POPアイドルが「大量生産型」を脱せたワケ

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