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「あと……私が選手権に出たときに感じたのが、『非常に閉鎖的な世界だな』ということです。身内同士で固まっていて……私は山岡さんがいたので大丈夫でしたが、一人で初参加した人は参入ハードルが高かったんじゃないかなと。そういう意味で、オンラインで開催された電竜戦は、よかったんじゃないでしょうか」
種は蒔かれた。
今回の長時間マッチが話題となったことで、再びその日が訪れるかもしれない。
加納邦彦のような、新たな『謎の開発者』が登場する日が。
……しかし、ディープラーニング系のソフトが主流になることに対して複雑な思いを抱く人々も存在する。
最後に、プロ棋士がこの対局をどう見たのかを語ってもらうことで、観戦記の締め括りとしたい。
日本将棋連盟正会員にしてCSA(コンピュータ将棋協会)会員――阿部健治郎七段に。
(第四譜につづく)
第一譜『水匠』杉村達也の挑戦 |
第二譜『dlshogi』山岡忠夫の信念 |
第三譜『GCT』加納邦彦の自信 |
第四譜『プロ棋士』阿部健治郎の未来予測 |