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吹き出物が消えた…! 清潔感が劇的アップ(した気がする)

 用意されたのは「オルビス ミスタースポットシュート コンシーラー」。3種類あり、すべて色が違うようだ。自分の肌の色に合ったものを選ばなければいけないのだが、自分の肌がどんな色なのか意識したことがなかったので、ピンとこない。それぞれキャップを外して手の甲に当ててみるが、どれも違う気がするし、全部合っているような気もしてくる。

 何度もキャップをつけては外す記者を見た鎌塚氏は、自分も同じ経験をしたと語る。

「コンシーラーって本当に難しいですよね。自分の肌の色がどれなのか、なかなか分からないんですよ」

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 うすうす感じてはいたが、ここへきて私は自分の肌について何も知らなかったのだと理解した。結局、直感で2番目に濃い色味を試すことにした。どうやらペンシル型は直接塗ってOKのようなので、数日前から口元にできた吹き出物を隠すように色をのせていく。

コンシーラーで吹き出物跡を消す ©文藝春秋

 すると、適当に選んだ色が見事に記者の肌と馴染んで、赤い吹き出物が消えていくのだ。長年ちょっとしたコンプレックスだった吹き出物が、こうも簡単に隠せてしまうとは。思わず「おお、すごい」と声を上げながらコンシーラーをのせて指で馴染ませていくと、口まわりの赤い点々がすっかり消えて無くなった。

「最後はパウダーを使ってメイクを上からフィックスさせます。パウダーというとコウメ太夫みたいな白塗りになってしまうかも、と思うかもしれませんが、これは色が発色しないので大丈夫。毛穴をぼかして清潔感が出るので男性でも使いやすいと思いますよ」

パウダーは予想以上に自然な仕上がりだった ©文藝春秋

 と大森氏が太鼓判を押すのが「イニスフリー」の「ノーセバム ミネラルパウダー N」。ここまでくると要領がつかめてきて、パフを優しく肌に当てて顔全体にパウダーをつけていく。すると周りから「すごい、顔色がよくなってる!」「自然に仕上がってる!」と歓声があがった。気をよくして思わず、「これ良いですね」とつぶやくと、カメラマンが「自分も持っています」と言い出した。

「自分のことをもっと知りたい」と思うきっかけに

 なんと、この取材に同行した男性カメラマンも、メンズメイクの実践者だったのだ。しかも学生の頃からメイクの試行錯誤を続けているベテランだという。この場にいるメイク初心者が自分一人であることに気づき、途端に孤独感を覚えた。

 今回はパウダーでメイク終了。改めてメイク後の自分の顔を見ると、明らかに表情が明るく見える。初メイクの高揚感も相まってか、20歳前後の若かりし頃の自分が戻ってきたように感じた。

メイク後の記者。メイク前と比べると口周りの赤いニキビが消え、肌が全体的に明るくなった ©文藝春秋
メイク前の記者 ©文藝春秋

 変化があったのは顔だけではない。鏡の中の清潔感あふれる自分を見て、気分までさわやかになってくる。こんなに気軽に“若返り”ができるのなら、メイクを始めても良いかもしれない。そして、そのためにもっと自分の肌のことを知りたいと思ったメイク体験だった。

 これから肌荒れが気になる季節になってくる。「男がメイクするなんて」と思っている“大人の男”の皆さんもメイクを試してみたらいかがだろうか。それはきっと“自分のことをもっと知りたい”と思うきっかけになるはずだから。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。