増えた休みには、ウーバーイーツや出前館でアルバイト
テレビを観ても新聞を読んでもいい話はなかったでしょ。コロナ禍で自殺者や犯罪が増えている。都庁近くでボランティア団体が食料の配布を始めたら毎回200人が列を作る。ドキュメント番組ではホームレスになってしまった元期間工の人を紹介していたしね。自分はそこまで堕ちることはないと思っていたけど、その一方でそっちの人になったらどうすりゃいいんだという不安も頭をかすめたし。
売上が激減しているのだから出勤日の調整などもやり、全員の給料もダウンです。具体的には週に2、3日だけの短時間アルバイトの子には自宅待機というか、客の入りが戻ったら連絡するからということにしてもらいました。フロアスタッフもワークシェアみたいにして出勤日数を半分くらいに減らしてもらった。増えた休みにはウーバーイーツとか出前館でアルバイトしていた人もいます。彼らの話を聞くとアルバイトをしても月収は16万円がいいところだったみたいですね。
店長の自分も給料は4月から毎月ダウンで、8月にはほぼ半分まで減らされました。まあ、それでも30万円は超えていたから暮らしが辛くなったというところまでは行かなかった。
自分は店長なので毎日店に出ていましたが暇を持て余していました。お客さんは来ないし、みんなの表情も暗くなっちゃって。どんな仕事でも忙しいっていうのはありがたいことなんだなと実感しました。
少しずつ人が戻っているが…
あとは人恋しくなってさ。休みの日でも感染したくないからじっと部屋にこもっている。誰とも会わず誰とも喋らずに。テレビと会話していたこともあって、これはいかんなあと思った。
だから食料の調達で飲食店や商店に入ったりするとマスターや女将さんと世間話的なことを喋ったりしてました。以前は絶対にしなかったんだけど、こうでもしないと丸1日誰とも接触しませんからね。
今の状況ですか? うちの店としてはかなり回復してきています。ただ入店できるお客さんの数を調整しているのでテーブルの稼働率としては7割だな。売上は5割ぐらいです。
目標に届かない日もありますから大変です。系列店も同じような状態ですね。少しずつ人が戻っているがまだ厳しいっていう話でしたから。
10月に入ってからは週末のお客さんが増えました。サラリーマン、しかも新しいお客さんが来てくれるようになったし、地方から出張なり観光で来た人も何人かいらっしゃいました。平日のお客さんも若干は戻っています(著者注:しかし、11月からは新規感染者が増え続け、時短営業要請も出されたこともあり、歌舞伎町全体が再び窮地に追い込まれているようだ)。