1ページ目から読む
5/5ページ目
妬んで羨ましがっていないで、とにかく動いてみろ
師匠はよく言ってました。
「自ら仕掛けなければ栄光はない」
そのためには何でもやってみろと。行動を起こしてみろよと。それこそ妬んで羨ましがっているだけじゃ手に入るものはない。とにかく動いてみろと。
もちろん師匠も仕掛けたけど不発というのも多々ありました。
一番印象に残っているのは、これも独演会のことです。
「こいつぁウケるぞ」
そう言って友人のプロレスラーのザ・デストロイヤーからもらったマスクをかぶり、パンツ一丁で高座を横切ったんですよ、両手をあげてウェーッて。
全然ウケませんでした。だってマスクしてるから顔が見えないので、お客さんは誰だか判らなかったんです。
「ダメだった……」
楽屋に帰ってきた師匠は寂しげ。天下の談志もスベる時はスベるんだなと勉強になった夜でした。
【続きを読む】「売れるのは狂える奴だ」「こいつはケタ違い」当時は鳴かず飛ばずだったのに…立川談志が気にかけ続けていた “意外な芸人”とは