LOH症候群をチェックしよう
LOH症候群、いわゆる男性更年期障害で現れる症状には、身体的なものと精神的なものがあります。テストステロンは意欲や社会性などメンタル面にも大きくかかわっているホルモンなので、分泌量が減るとメンタルにも影響するわけです。
身体的な症状は異常な発汗、ほてり、疲労感、めまい、頻尿、勃起力の低下なです。精神的な症状には、やる気や興味の喪失、イライラ、不安感の増大、集中力や記憶力の低下、性欲の減少などがあります。
最近なんとなく体調がよくない、やる気が出ない、だるい、疲れやすい、眠れない、少々のことで落ちこむ、イライラする、悲しくなる、あるいは仕事に身が入らない、今まですぐに頭に入ってきたことが全然入らなくなった、ミスが増えた、といった症状がありませんか? あるいは朝立ちがなくなった、性欲がなくなったなどの症状はないでしょうか?
これらの症状は時として、「もう年だからしょうがない」「疲れがたまっているんだろう」などと軽視されがちです。年をとれば性機能や性欲が衰えるのは当然ですが、それほど極端に衰えるものではありません。一般に70歳くらいまでは性欲や朝立ちはあるものなのです。
まずは簡単な10項目のチェックリストをやってみましょう。
・LOH症候群チェックリスト
□ (1)性欲が低下した
□ (2)元気がなくなってきたような気がする
□ (3)体力、もしくは持続力が低下した
□ (4)身長が低くなった
□ (5)毎日の楽しみが減ったように感じる
□ (6)もの悲しい気分だ、あるいは怒りっぽい
□ (7)勃起力が弱くなった
□ (8)最近になり、運動能力が低下したように感じる
□ (9)夕食後にうたた寝することがある
□ (10)最近、仕事がうまくいかない。仕事の能力が低下したように感じる
⇒(1)と(7)の両方が当てはまる、あるいは、3つ以上の項目に該当する場合には、男性更年期障害の疑いあり
からだに「炎症」が起きている?
気になる方はより詳しい質問票もやってみてください。次に紹介するものは加齢男性症状調査票(AMS)と呼ばれ、LOH症候群の診断に国際的に使われています。
全部で17項目あり、0~5点の6段階でポイントをつけていきます。高いポイントは症状が強い(つらい)ことを表します。詳しく見ると、この調査票はからだに関するもの(関節の痛みなど)、メンタルに関するもの(イライラするなど)、性機能に関するもの(性的活動など)の3種類の質問で構成されていることがおわかりでしょう。
さて、あなたは何点くらいでしょうか? ちなみに26点以下は健康、27~36点は軽症、37~49点は中等症、そして50点以上は医療機関に受診すべき状況と考えられています。
このAMSの点数は必ずしも血液中のテストステロン値とは関係しないことがわかっています。わかりやすくいえば、症状の強さはテストステロン値と比例しません。ではAMSの点数は何を表しているのでしょう? 最近の研究ではAMSの点数が高い人はからだに「炎症」が起こっていることが明らかになっています。