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理想的なスマホライフを送れている子どもは“20人に1人”…稀代の脳科学者が明かすスマホとうまく付き合うための“効果的な対策”とは

『最強脳―『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業―』より #2

note

 理由のひとつに、今の子供たちは、すぐにごほうびをもらうことに慣れてしまっているという点があります。楽しくなるまで待つことが出来ないのです。しかし何でも、上手くなりたければがまん強く練習しなければいけません。バイオリンやフィギュアスケートが上手くなるには何年もかかります。そうやって上手くなってやっと楽しくなる、そこでごほうびをもらえるわけです。そしてさらに上手くなりたいという気持ちにもなる。その繰り返しで上達していくのです。

 ところが今の子供たちは、スマホの無意味なゲームに時間を使いがちです。そうしたゲームなら、すぐにごほうびをもらえるからです。

 ですが、何に時間を使うかは自分次第だということを忘れないで下さい。決めるのはあなたなのです。

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「運動」の大切さ

 この本では、運動が脳に良いということを中心に書いてきました。ここでもやはりその話に戻ります。

 何事もバランスが大切です。適度にやるのが上手くいく秘訣なのです。スクリーンタイムも、睡眠も、食事も、それにもちろん運動も。しかしそれを全部やるには時間が必要です。残念ながら、今ではスマホなどのスクリーンのついたデバイスが時間をうばってしまっています。他の大事なことをする時間がないのです。

 運動すると脳はレベルアップしますが、その効果がすぐには出ないこともあります。すでに書いた通り、すぐに出る効果もありますが、数週間から数カ月は定期的に運動しなければ出ない効果もあります。すぐにもらえるごほうびばかりではありませんが、あきらめずに続ける価値はあります。

 ひとつうれしい事実をお話ししておきましょう。体を動かすことに慣れると、運動する時にもごほうびが出るようになります。これから外に出て自転車をこごう、友達とサッカーをしよう、などと考えただけで少しドーパミンが出るようになるのです。

【前編を読む】ストレスは悪いもの…?ではない! 『スマホ脳』の著者が明かす、大事なときに実力を発揮できる人になるための“たった一つの方法”

最強脳―『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業―(新潮新書)

アンデシュ・ハンセン ,久山葉子

新潮社

2021年11月17日 発売

理想的なスマホライフを送れている子どもは“20人に1人”…稀代の脳科学者が明かすスマホとうまく付き合うための“効果的な対策”とは

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