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 ちなみに現在確認できる最古の「焚き逃げ」跡は、イスラエル北部フラ湖畔で発見された79万年前の狩猟採集民の野営跡ゲシャー・ベノット・ヤーコブ遺跡。もちろんそれ以前、100万年以上前の遺跡でも焚き火の痕跡は発見されているのですが、この遺跡の特徴は「人類が自力で着火した」証拠が見つかってる点。

 なんとこの野営跡からは、焼けた動物の骨やオリーブの種などと一緒に、火打ち石が見つかったのです。湖岸で温かい食事を楽しんだハンターは大事な火打ち石を忘れていったのでしょうか。そんなうっかりものが残した79万年前の焚き火跡も、しっかりと後世に残り続けます。現代のキャンパーの皆さんは、ぜひ後片付けを忘れずに!

焚き火を楽しむのに必要なものは大きく2つだけ!

 ではいよいよ本題に入りましょう。環境配慮や安全のための道具を別にして、純粋に「焚き火の着火」のために用意するものは、大きく分けると「薪」と「着火道具」の2点のみ。

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「焚き火の着火」のために用意すべきものは「薪」と…
「着火道具」だ!

 驚くほどのシンプルさが焚き火の魅力でもあり、同時に難しさでもあります。では早速、「薪」から見ていきましょう!

ポイント1:これがないと焚き火ができない!…でも「薪」って何だ?

 なんといっても最重要なのは「薪」でしょう。これがないと焚き火はできません。しかし、では「薪とは何か?」と聞かれて、どんなものが思い浮かぶでしょうか。実は、ここが最初の大切なポイントなのです。

そもそも「薪」とは何だろう?

 薪はただ単にその辺の樹木を伐採して適当な長さと太さに切り分けたものではありません。薪は、採掘された原油が精製されてガソリンや灯油になるのと同じく、伐採した木に手間をかけ燃料として製造されたものなのです(ちなみに「薪」という文字は「まき」とも「たきぎ」とも読むことができますが、常用訓は「たきぎ」のみだそうです)。

ただ単にその辺の樹木を伐採して適当な長さと太さに切り分けたら「薪」になるわけではない
ホームセンターなどでも買えるが…

 この薪、多くの人はキャンプ場の売店か近くのホームセンターなどで購入すると思います。ただし、購入した薪そのままでは非常に使いにくくかつ着火しづらいのです。