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 ただし、薪の消費量が多く燃費が悪いのでご注意を。また薪同士の空間が大きいので、最初期に熱がとどまりにくく、着火の失敗が多いです。解決方法としては、一番下に薪の床を作り、3段目に焚き付けの天井を作ると良いですよ。

一度はやってみたい!? 大がかりな「自動供給」焚き火

 もう一つは、大掛かりな「自動供給装置型」!! 

ちょっと大掛かりな「自動供給装置型」もある

 これは1800年代後半にアメリカで出版された最初期のアウトドア雑誌「フォレストアンドストリーム」で活躍したスポーツライター、ジョージ・W・シアーズ(ペンネーム:ネスマック)が用いた組み方です。

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 彼の著書「ウッドクラフト&キャンピング」にその組み方が出ているのですが、私の拙い英語で抜粋翻訳しますと、こんな感じです。

「焚き火の後ろに2本の頑丈な杭を打ち込み、それに沿って丸太をしっかりと立てかける。杭は少し後ろに傾斜させ、前傾を防ぐため一番大きな丸太を下に一番小さな丸太を上にして積んでいく」

 ところがこのネスマックの組み方、直径10インチのクルミの丸太を使うので、じつはそのままやっては大掛かりになりすぎます。現実的にやるとすれば、通常の薪を並行に並べてから、そのすぐ脇に長めの丸太を2本、立てかけ、それをレールのように使って、下から丸いままの薪を積んでいくやり方がオススメです。

 この組み方であれば、焚き火の後ろに築かれた薪の壁は、ファイアーリフレクターとして風を除け、熱を反射し、煙を上方へ逃してくれます。

 そしてここからが薪自動供給装置の真骨頂! 薪の一番下が燃え尽きると、なんと次の薪がレールに沿って自然と落ちてくるのです。これで薪がなくなって消えていたなんて心配もありません。薪が自動的にくべられる場面は、なかなか感動ものですよ。

 さてここまで見てきた、焚き火の着火方法。無事に燃焼に成功したら、炎を囲んで歓談したり、料理をしたり、ゆっくりと楽しんでください。パート2では焚き火サイドで楽しめる様々な料理レシピもご紹介します!

写真=阪口克

ビジュアル版 焚き火のすべて

阪口 克

草思社

2021年11月22日 発売