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2021/11/21

genre : ニュース, 社会

 闇カジノ店の元オーナーである漆原康之氏はこう解説する。彼が語る関東近郊の主要エリアは東京、横浜、西川口、千葉などを指す。彼の言葉を信じるならば、バカラ賭博の大半はイカサマだということになる。

「闇カジノ業界のなかでイカサマをしている店と、普通(イカサマをしていない)の店の差は割と明確です。店構えが立派で豪華な内装のバカラ店は危ない。運営に多額の経費が掛かる店ほど、大きく儲ける必要があるし当局から摘発されるリスクも高い。当然の帰結として、早く大きく儲けるためにイカサマを必要とするという発想になることが多い。

 逆にマンションの一室など質素の店の方が、取り切るとかをせずに経費分だけを『調整』するとか、平箱(イカサマのない店)の可能性も高い。何せ豪華店と質素店は、ランニングコストと摘発リスクに雲泥の差があるからです」(漆原氏)

韓国から流れてきた“イカサマ”マシン

「実際のものをお見せしましょう」こう語ると、漆原氏はおもむろに大きな箱をテーブルに置いた。箱の中身はシューターだった。アイボリー色の機械と、自動車のキーのようなスイッチ、そしてトランプ、この3つのアイテムについて漆原氏が解説する。

おかれた箱の中から出てきたのは中国製の“イカサマ”マシンだった
中国製シューターがカードを操作する様子

「バカラはカードの出目だけで勝負が決まる単純なゲームです。だから面白い。一方で、闇カジノ側からするとゲームを操作しやすいギャンブルだということが言える。

 これらはイカサマのために使用されるマシンなのです。このトランプは特殊な加工が施されており赤外線でカードを読み取れるようになってます。赤外線でカードを読み取り、シューターの中のカードを操作する。シューターはこのスイッチで遠隔操作できるようになっており、スイッチを押すことでシューターの中のカードを1枚、2枚と入れ替えることが出来ます」

 このシューターの動きを捉えた動画がある。シューターに手を添えるディーラー。彼が1枚、2枚とカードを取り出すなかで、3枚目のカードが静かに上にスライドして行っていることが確認できる。ディーラーは素知らぬ顔で次に出てきたカードを手に取る。すると、今度は静かにカードが降りてきた。つまり遠隔操作によってカードの順番が入れ替わったのだ。

イカサマシューターでカードが入れ替わる様子(筆者提供)

 スタッフが写真のようなモニターで赤外線を使いカードをチェック。カードには特殊な加工がしてあり、モニターに映る黒い印の位置でそのカードが1~9のどの数字であるかを確認できるという仕組みだ。

店は赤外線でカードを読みモニターで確認する

「このシューターを使えばターゲットがBANKERにベットしたならば、PLAYERが勝つようにカードを入れ替えるという操作をいとも簡単に行うことが可能なのです」(漆原氏)

 こうした遠隔操作できるシューターは韓国カジノから流れてきたもので、主に中国製のマシンが使用されているという。つまりイカサマシューターの存在は、大手カジノグループがしのぎを削る韓国でも、こうしたイカサマ行為が横行していたということを示唆している。

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