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キムワイプ、ガラスペン…バイヤーのマニア愛が暴走

――リニューアル1本目の動画テーマは、有隣堂の文房具バイヤー・岡﨑弘子さんの推し文具、実験器具などの清掃に使う高性能ティッシュ「キムワイプ」。2本目は「ガラスペン」。2つとも知る人ぞ知る文房具ですが、リニューアル直後にこの2つを選んだのは、あえてコアな視聴者層を狙って? 

 
 

鈴木 いえ、あの2つは本当に岡﨑が偏愛しているもので、特に狙ったわけじゃないんです。当時は登録者数が300人ほどだったので、「ならば好きなものを紹介しちゃおう!」というノリでした。

 岡﨑はもともと興味の幅がとても広く、一度好きと思ったら、それがどんなにマイナーでもまっすぐ突き進むタイプ。それにバイヤーなので、「私の大好きなものを皆さんに広めたい!」という気持ちがかなり強いんです。

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渡邉 動画のコメントに「岡﨑さんがツボで朝からほっこりする」とか「岡﨑さんの文房具紹介は、本当に好きなのがあふれている」などいただいていますが、普段話していても本当にあのままです。

ハヤシ 岡﨑さん出演回はとても人気があり、再生回数で見るとガラスペンの動画は68万回で第1位です。2位とはダブルスコアなのでぶっちぎりですね。

岡﨑さんが有隣堂の5800円のガラスペンを激推しするも、ブッコローはAmazonで《186円&送料無料》のガラスペンを発見。焦った岡﨑さんはAmazonガラスペンを「ガラス製じゃないかも」「インクが出ない」「一文字しか書けないと思う」など攻撃し、有隣堂のガラスペンを必死に擁護。

年に数本→1週間のフェアで数百本の売り上げ

――そこまでくると、ガラスペン自体の売上にも影響はありましたか?

鈴木 動画を公開するまでの売上は年に数本程度でしたが、今年10月に桜木町の「STORY STORY YOKOHAMA」でガラスペンフェアを開催したところ、1週間で数百本売れました。岡﨑も店頭に立ったので、一緒に写真を撮りたいという方もいらして。ご購入者はほぼYouTubeを見ている方で、中には北海道や九州からご来店のお客さまもいて、熱気を感じました。

――すごいですね。ガラスペンって、わりと高額なイメージがありますが……。

鈴木 文房具の中では高額ですね。弊社で取り扱っているのは数千円台が中心で、高いものだと2万円台のものも。書店としては、同価格の書籍を数百冊売るのはとても大変なので、YouTube効果が店舗の売上にも反映してきたなと思っています。

渡邉 キムワイプはもともと岡﨑個人の推しだったので、あの動画を公開した頃は弊社で取り扱っていなかったんです。でも、視聴者さんから「ぜひ有隣堂で買いたい」というコメントをいただき、今は神奈川、東京、千葉の数店舗とオンラインストアでも取り扱っています。ガラスペンと合わせて、YouTube発で火がついたアイテムです。

衝撃のリニューアル第1回。キムワイプ愛をさんざん語った末、「有隣堂では買えません」と言い放つ岡﨑さん

――岡﨑さん効果は大きいですね。

ハヤシ 先日、本社で社長表彰式があって、僕は撮影スタッフとして後ろで見てたんです。そしたら、岡﨑さんが「YouTubeを通して多大な貢献をした」という名目で表彰されていました。